<カストロールレディース 事前情報◇30日◇富士市原ゴルフクラブ(千葉県)◇6,506ヤード・パー72>
先週のステップ・アップ・ツアー「ANA PRINCESS CUP」で、ツアー初優勝を挙げた高木優奈。2週連続Vがかかる「カストロールレディース」を前に、今後の“青写真”について明かした。
中国美女と共演! 高木優奈の最新ドレスフォト
涼しい北海道から舞台を移し、今週は猛暑の千葉県で開催。開幕前日の30日も立っているだけで汗をかくほどの暑さに見舞われ、選手にとってはこのギャップも大きな敵になりそうだ。北海道で優勝カップを手にした高木も「コースも先週は洋芝で違いがある。ラフも(富士市原GCの方が)元気。暑さで、ボーっとしてしまいました(笑)」と、苦笑いを浮かべた。
今季もレギュラーツアーで旋風を起こしている“黄金世代”だが、1998年5月13日生まれの高木もその一人だ。その流れに乗るように、自身も下部ツアーながら1勝目をつかみとった。そして、この優勝は高木にとって、とても大きな意味を持つものだった。
QTランク90位で、今季の主戦場がステップになることが決まった昨年末。心の中で「ステップで予選落ちをしない」ことを目標に立てた。しかし、“下部ツアー”とはいえ毎年のようにレギュラーで活躍する選手を輩出する舞台とあって、実際に戦ってみると、そのレベルの高さに驚いたという。ANAの前の10試合で予選落ちは4回。「優勝争いもできていないし、自信がなくなってました」というのが本音だった。直前の試合でも2試合連続で決勝進出を逃していたこともあり、さらに気持ちは落ち込んでいた。
それでも自分のスタッツを見返すなどして、糸口を探った。その結果「初日の成績が悪い」というデータを見つけ、ANAでは練習ラウンドでしっかりとスコアをつけて、これを“第1ラウンド”と考えるようにした。すると、“第2ラウンド”(初日)に「67」で単独首位発進。「たまたまかもしれないですけど」と笑ったが、最高の結果で自信を回復した。
これ以外にも、初勝利が高木にもたらしたものは大きい。それがステップ優勝者に与えられる、『QTはファイナルから参加』という権利だ。過去2回、プロテストに失敗している高木はTP単年登録者という立場で今季のツアーを戦っている。今年もプロテストを受験する予定だが、「QTに出られると思うと、受験の時の気持ちが少し楽になります」と、大きな“後ろ盾”を得たのだった。
今の照準は、ステップの賞金ランクで上位になること。その覚悟は、推薦を手にした「資生堂 アネッサ レディス」の出場を回避して、同じ週に行われたステップの「Skyレディース ABC杯」に出たことをみても伝わってくる。「日本女子オープン(10月3〜6日)も、同じ週にフンドーキンレディース(10月1〜3日)があるので、予選も受けません!『出てたら勝ててたかもなー』とか後悔したくないんです」。ブレない気持ちで、賞金ランク2位までが獲得できる、来季のレギュラー前半戦出場権まで突っ走る。
「1勝できたので、自分でも勝てるというのは分かりました。もう1つ勝てれば、(賞金ランク)1位、2位も見えてくるかな」。自らのことを「単純でお調子者」と言うように、その明るい性格も魅力の一つ。さらに“調子に乗って”、目標へズンズン突き進んでいく21歳の今後に期待だ。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>