「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」で活躍が期待できる選手を佐藤信人がピックアップ。約1カ月半の休みをはさんで迎える久々のトーナメントは北海道が舞台。ツアー9勝を誇り、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の広報担当理事を務める佐藤が注目したのは、安定感のあるあの選手だ。
中断前最後の試合では…石川遼が優勝でこの雄たけび
■1カ月半ずれたことで、よりショット力が重要に
本大会の舞台は、例年に引き続きザ・ノースカントリーゴルフクラブ。今年はショット力が特に要となりそうだ。これまで7月頭に行われていた本大会だが、今年は約1カ月半うしろにずれての開催。「例年ラフが厳しいですが、今年は8月ということもあり微妙に深くて重たいようです。日本オープンまでとはいわないまでも、80〜100mmくらい」と、フェアウェイキープからのパーオンが重要になる。
加えて、今年は雨の影響も少ないようでグリーンが硬めに仕上がっている。「開幕前の時点でコンパクションが24mm。日本ツアーで開幕前にこの数字が出ているのは硬めかなと思います」と、すでに本戦と同じくらいの仕上がりとなっているようだ。「風も強く、日本にしてはフェアウェイが転がっていく感じ」。洋芝ということや天候にも左右されるが、今年はグリーンと同様に、フェアウェイも硬めになることが予想される。「ラフも厳しいですし、アイアンのスピンコントロールもされていないと厳しい」。
■コレ!というポイントよりも総合力が勝負
本大会の歴代覇者には谷原秀人(2016年)、石川遼(14年)、藤田寛之(09年)や谷口徹(07年)などが名を連ねている。
「このコースは、選手からの評価も高くて非常にフェアなコース」。そう解説する理由は、「すべての要素が要求される」からだ。「飛距離が出たほうが有利、飛距離を殺しても曲げないことが有利などというよりも、総合力が問われるコース」。昨年大会を制したブラッド・ケネディ(オーストラリア)のスタッツを見ると、ドライビングディスタンスは63位(250ヤード)だが、平均パット1位(1.6190回)、パーオン率2位タイ(77.78%)、フェアウェイキープ率1位(90.48%)と軒並みトップ水準につけていた。
■総合力の高さといえば… ベタですが、この選手!
そこで佐藤が名前を挙げたのが、昨年賞金王の今平周吾。今季のメルセデス・ベンツトータルポイントランキング(総合的に優れたプレーヤーを選出することを目的にスタッツ9部門をポイント換算した順位)で5位につけている。「コースとの相性も抜群にいい」というように、本大会ではツアーに本格参戦した2015年から2位、3位タイ、3位、3位タイと優勝争いを続けている。
また、同ランキング2位のジャズ・ジェーンワタナノンド(タイ)も見逃せない。「全米プロゴルフ選手権」14位タイの実力はもとより、「僕が一番いいと思うのは、世界に出て行こうというハングリー精神。ZOZO Championshipやゆくゆくは米ツアーへという意欲が強い。自分がどこに向かっていきたいかというのが明確で、目下は12月のプレジデンツカップのメンバーに選ばれたいというのをモチベーションにしている」。先週のアジアンツアー「サラワク選手権」に出場して6位タイ。世界ランキングを上げるために、ここからさらにギアを上げることも期待される。
シーズン後半に突入して、賞金王争いもここからが本番。オープンウィーク明けの1戦は、まずはトップランカーの活躍に注目したい。
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