<CAT Ladies 2日目◇24日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6704ヤード・パー73>
この日、4バーディの「69」でラウンドした柏原明日架が、初日の16位タイから4位タイへと順位を上げた。首位との差は5打開いているが、「謙虚」な気持ちとともに悲願の初優勝へと向かっていく。
柏原明日架だってこのスマイル!【写真】
「全体的にピンチというピンチもなかった。カツカツのノーボギーではなく、余裕のあるノーボギーでした」と“ムービングサタデー”のラウンドを振り返った柏原。最終18番では「イメージが出過ぎてしまって」と、残り12mのバーディパットを2mオーバーするシーンもあったが、これを冷静に流し込み、数少ないピンチの場面もしのぎきった。
中学時代に「日本女子オープン」の最年少予選通過記録(14歳244日、当時)を打ち立てるなど、ジュニアの頃から注目を集めた。その時は「何も考えずに攻めてばかりでした」というプレースタイルで、プロ入りしてからも攻撃的なイメージを持たれる。ただ「いろいろな失敗もして、駆け引きが必要だなと思った。“攻める”といっても色々な攻め方がある」と、最近はそのスタイルに変化も生じている。
特にここ1、2カ月のあいだに、「行けると思ったら行く、退くときは退くということを自分の状態と“話し合いながら”やっています」という意識が自然に徹底できるようになった。「自分のなかで、お金を稼ぐという感覚が出てきた」とプロゴルファーとしての成長を実感し、「すごく謙虚にプレーができている」と自己評価する。
今年になって、勝者のメンタリティを学ぶため、報道される優勝者のコメントなどに目を通すことを実践しているが、そのなかで「全英AIG女子オープン」を制した渋野日向子の言葉の一つひとつが、強く印象に残った。「これまでの若い選手はイケイケ、ノリノリというイメージでしたけど、渋野さんはすごくコメントも謙虚。真逆の子だなと感じていて、そんなに謙虚なのに上に行けるというのが驚きでした」。ただその姿勢は今、自分が追い求めているスタイルとシンクロするものでもある。
「少しの図々しさだけではあそこまでいけないと思った。謙虚さも自分のプレースタイルに生かしていきたい」。それがストレスをためないラウンドや、好結果につながっていくと信じている。「渋野さんだけではなく、ほかの若い選手でも精神面、技術面で私よりもうまい選手、強い選手はいる。そこで得られるものは得ていきたい。それが自分のためになると思います」。海の向こうから聞こえてきた勝者の言葉、そしてツアーを席捲する若手選手たちの姿も“参考書”とし、あす、上位との差を1打1打縮めていく。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>