毎週、ゴルフツアー会場で選手たちを撮影し続けるプロカメラマン。インサイドロープでプロゴルファーの凄みや熱気を感じ、ときおり会話のやりとりを見聞きするなど、“試合中の選手たちに最も近いメディア”であるツアーカメラマンが見た印象的な景色を紹介する。【CAT Ladies編】
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先週の「CAT Ladies」で黄金世代9人目のツアー優勝者となった淺井咲希。そのスタートは、勝利を予感させる“ド派手”なものだった。会場の大箱根CCの1番ホールは、打ち上げのパー5(470ヤード)。さらに初日は強い雨が降り、強いアゲンストの風が吹く難しいコンディションとあって、多くの選手を苦しめた。
そんななか、身長151cmと小柄な淺井の豪打がさえわたる。「思ったより飛んだ」というティショットは、残り214ヤード地点へポトリ。続くセカンドで3番ウッドを振り抜くと、ピン左手前6mにピタリ。ツーオンに成功すると、これをねじ込んでイーグルをゲットすると、ここから一気に勢いづいた。
その時の様子を撮影していたのが上山敬太カメラマンだ。かなり強い雨風のなか、笑顔でラインを読む淺井。その後、パットが決まった時も、「アプローチなしで1パットのバーディだと思っていました」と、まさかツーオンだとは思わず。「ナイスバーディ」という気持ちでシャッターを押した。そして、その後イーグルだったことを知り、「なんともお恥ずかしい」という気分になったという。
当然まだ初日とあって、誰が優勝するかなど分からない状況。特に淺井をマークしていたわけではなかったが、結果的に大会を制した選手がマークした、この日の1番ホールで生まれた唯一のイーグルシーン撮影に成功したのだった。
だが、この話には続きが。「スタートホールでイーグルを奪って優勝した選手って今年何人いるんだろう?」と気になった上山カメラマン。その後、今季優勝者の初日のスタートホールを調べたくなり、パソコンをカタカタと叩いたのだった。「データはカメラマンが調べたものですが…、今年の優勝者のなかでイーグル発進したのは、淺井選手と稲見萌寧選手のわずか2人なんです。ここまで25試合なので、確率的には8%。それを撮影できてよかったです(笑)」。カメラマンの“好奇心”をも刺激するイーグルだった。
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