<RIZAP KBCオーガスタ 2日目◇30日◇芥屋GC(福岡県)◇7103ヤード・パー72>
2016年「日本オープン」ローアマなど、アマチュア時代から将来性を期待されていた比嘉一貴。そのショット力を評して周囲のプロからは、『いつ優勝してもおかしくない』と言われているが、今年の「東建ホームメイトカップ」での4位タイが最高順位と、今一つ調子が上がらない。その比嘉は、第2ラウンドを終えてトータル15アンダー。暫定ながら単独首位に躍り出た。
この時、石川遼はどんな会話をしているのでしょうか?
「正直言うと、ショットの調子はよくないです。ドライバーのヘッドを替えたり戻したりしたのが影響しているのか、今は右に出たボールはスライスして、左に出たボールは左に曲がるんです。おかげでフェアウェイにボールがありませんでした」
確かにパー3を除いた14ホール中フェアウェイをキープしたのは5ホールしかない。にもかかわらず、第2ラウンドを9バーディ・ノーボギーで回り、コースレコードタイとなる「63」をマークできたのは、パッティングがよかったからだ。
「パッティングのストロークを鏡で見たり、ビデオで撮ったり、いろんな人に聞いてみたりした結果、アドレスでちょっと右肩が出ていることに気がついたんです」
普通なら、そのままヘッドをアウトに上げて、カット気味に打つところだが、比嘉の場合は器用さがあり、知らぬ間に手首で軌道を修正していたという。その結果、インパクトが緩んだり、強く入るため、タッチが合わなくなっていたのだ。
「そこに気がついて、できるだけ肩のラインを目標に対して真っすぐしようとした結果、ボールの転がりがよくなり、タッチも合うようになりました」
という。気がつけば、第1ラウンドは24パット、第2ラウンドは23パットだ。特に第2ラウンドのインコースでは8パットと、驚異的な数字をマークした。
ただ、グリーン面が乾いてくる明日以降は、ラフからだとなかなかボールが止まらない。ティショットでいかにフェアウェイをキープするかどうかが、自らの不安をかき消し、ツアー初優勝を導くカギとなりそうだ。(文・山西英希)
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