<RIZAP KBCオーガスタ 2日目◇30日◇芥屋GC(福岡県)◇7103ヤード・パー72>
前日の残り7ホールを含め、この日は計25ホールをラウンドした石川遼。スコア的には第1ラウンドの残りで3つ、第2ラウンドで5つ伸ばし、トータル10アンダーでフィニッシュ。しかし、その表情はいま一つパッとしない。
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「自分の中でこのコースはパー68というか、4つのパー5はパー4と計算しているので、1ラウンドでどれだけマイナス4以上のスコアを出せるかが勝負を分けると思います」
その論でいうと、石川のトータル10アンダーは2アンダーにしかならない計算だ。全員が第2ラウンドを終えていないため、暫定順位で上位にはいるものの、満足できない理由はそこにある。今のペースで仮に最終日を終えてトータル20アンダーまでスコアを伸ばしたとしても、実質4アンダーでは勝利を手にすることはできない。では、残り36ホールでどのように“巻き返すのか”。
「最終18番のパー5もそうでしたが(約12メートルを3パット)、ロングパットをいかに決めるかでしょうね。前週のセガサミーカップでもロングパットが決まる感じがしませんでした。ショートパットはいい感じで打てているだけに、そこが課題でしょう。あとは100ヤード前後の距離感でしょうか」
確かに、アプローチでピンを2メートルほどオーバーしても、きっちりパーパットを決めるシーンが何度もあったり、3メートル以内のバーディパットをしっかりと沈めていた。課題だったドライバーショットも、この日はそれほど不安を感じさせなかった。むしろ圧巻だったのは16番パー4だ。同組でラウンドした現在ドライビングディスタンス第1位(317・88ヤード)の幡地隆寛が思わず腰を抜かしそうになったという。
「自分は会心の1打だったんです。数字だけなら330ヤードは飛んでいました。にもかかわらず、石川さんに20ヤードも置いていかれたんです。もう外国人と回っているような感覚でした」
と目を丸くして話す。それだけ振っても曲がらなくなってきたのだろう。ちなみに、このホールは残り144ヤードから52度のアプローチウェッジを使って、ピンそば2メートルにつけてバーディを奪っている。
となれば、やはりロングパットの精度なのだろう。ホールアウト後は、練習グリーンでボールを5つ用意してエッジ付近に置くと、そこから約20メートル離れたカップを狙って30分以上練習していた。最初はいつもと同じクロスハンドに握り、途中からノーマルな順手で握り直してストローク。ヘッドの動きを確かめるように、ボールを転がす。途中、その距離をカップインさせると、練習グリーンを囲んでいたギャラリーから大拍手を浴びた石川。それに応えるかのようにガッツポーズを見せるファンサービスも忘れなかった。
どちらにせよ、残り36ホールしかないが、前日からいうように、自分のベストを目一杯に出すだけしかない。昨年よりは悲壮感もなく、非常に楽しそうにプレーしている石川だけに、逆転優勝の可能性は十分あるだろう。(文・山西英希)
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