<RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント3日目◇31日◇芥屋ゴルフ倶楽部(7103ヤード・パー72)>
最終18番パー5でイーグルを奪い、大ギャラリーから拍手喝采を受けた比嘉一貴。この日のスコアを「67」とし、トータル20アンダーまでスコアを伸ばした。ただ、前日からスコアを5つ伸ばしたものの、満足感と悔しさが入り混じった複雑な心境を吐露した。
青木功とHKT48?【大会フォト】
「20アンダーを目標スコアとしていたんですが、15番パー4を終えて達したので、もう1つ、2つ取れたらいいなと思っていたんです。でも、16番パー4でダブルボギーを叩いちゃって……」
単なる数字だけを見れば満足できるが、内容的にはもっと伸ばせたという思いはなかなか消せないのだろう。ただ、前日まではショットが左右に曲がり、不安だらけだったことを考えれば、かなり前向きになったことは間違いない。その理由を比嘉は次のように語る。
「昨日、ホールアウト後にトレーナーの方(成瀬克弘氏)から色々とアドバイスをもらい、コース外の練習場で修正したんです。ほんの10球ぐらいでしたが、うまくスイングを調整できたのでこの日はショットが安定していたと思います」
ショットが悪かった原因は、好調の時と比べてボールの位置が左にあったこと、スタンス幅が広くなっていたこと、スイングリズムが速かったことにあるという。結果的に体の回転が不十分で、正しいスイング軌道からクラブが外れていたのだ。練習場ではスタンスを狭め、ボールの位置を少し内側に入れ、ダウンスイングの切り返しで間をつくるようにした。そうした途端、ショットが曲がらなくなったので、10球程度で練習を終えたのだ。
もちろん、比嘉のアドレスが大きく変わっていたわけではない。しかし、数センチの違いがショットに大きく反映するツアープロの世界だけに、その気づきが比嘉のゴルフを変えたのだ。そこになぜトレーナーの成瀬氏が気づいたのかといえば、比嘉の体をケアした際、いつもと違う個所に張りがあったからだ。約30年、男子ツアーのメイントレーナーとして数多くの体とスイングを見てきた成瀬氏にしてみれば、比嘉の変化を読み取ることは難しくなかったといえる。
最終日は2位以下に3打差をつけてのスタートになるが、「バーディが先行するプレーができれば、チャンスはあると思います」という比嘉。4つのパー5できっちりバーディを奪い、ほかのホールはボギーを打たないように耐えるゴルフでツアー初優勝を狙う。(文・山西英希)
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