<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 最終日◇15日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6425ヤード・パー72>
初優勝は林の中に消えた。2打差の2位から逆転での初優勝を狙った吉本ひかるは、ノーバーディ・4ボギー・1クワドラプルボギーの「80」と大きく崩れて、トータル3アンダーの23位タイで4日間を終えた。
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出だしは悪くなかった。バーディこそ来なかったが、長いラフに入れても小技でしのぐ自分らしいゴルフができていた。首位を走る同級生の畑岡奈紗が1番から連続バーディを獲っていても、気持ちも「変化はなかった」と落ち着いていた。
全てが変わったのは7番パー5。ティショットをラフに入れて、フェアウェイに持って行こうとした2打目だった。「150ヤードくらい打つイメージだった」とクラブを振り抜いたが、思った以上にラフがかぶさっていたことがたたり大きく左へOB。打ち直しの“4打目”も木に当たってしまい、結局このホールは6オン3パットの「9」。痛恨のクワドラプルボギーを叩いてしまう。
その後は「あのOBで流れが変わってしまいました。パッティングが全然入らなくなってしまって。アドレスの時点で入る気がしなくて…」とグリーン上で大苦戦。サンデーバックナインではバーディを奪えず4ボギー。18番のバーディパットを外した後までアドレスの確認をするなど、最後まで修正できなかった。
ホールアウト後も気丈に振る舞っていたが、クラブハウスに引きあげて来るなりトイレに直行すると10分以上も出てこず。取材エリアにきた後も涙は止まらず、拭いながら「途中までガマンできていましたが、OBから切り替えられなかったですね」と振り返った。優勝した畑岡については「攻めていたし、迷いがないですね」、そう力なく語った。
負けたこと以上に自分へのやるせなさを感じた1日。そして、それが涙となった。「最終日に伸ばせなかった。もっと練習しないといけないなと思いました」。またしても届かなかった初優勝。手にしたときに“あの日があったから…”と言えるように、きょうという日を無駄にするわけにはいかない。(文・秋田義和)
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