<デサントレディース東海クラシック 最終日◇22日◇新南愛知カントリークラブ 美浜コース(愛知県)◇6437ヤード・パー72>
渋野日向子の8打差逆転優勝で幕を閉じた「デサントレディース東海クラシック」。奇跡的ともいえる逆転Vは、横綱2人の追走から“逃げ切って”達成したものだった。
プレーオフに備えるあいだ、栄養補給のシブコさん【写真】
2日目を終えトータル13アンダーの単独トップに立っていた日本ツアー通算24勝の申ジエ(韓国)は、「ナイスプレーができなかったのは自分のミス。言い訳はできない」とラウンド後に話した。開幕前にくじいたという左足首の痛みを抱えながら臨んだ大会にも関わらず、初日から11バーディを奪うなど、圧巻のプレーを続けた。しかし、この日は2つのボギーを喫し、さらにバーディなし。渋野とは2打差のトータル11アンダー・2位タイに終わった。
米国ツアー参戦時、最終日に強いことから“ファイナルラウンド・クイーン”とも呼ばれた実力者だが、途中で逆転を許した渋野をとらえることができず。常々、いいライバルが刺激になるという思いを口にしているが、この日には「その気持ちがさらに強まりました。これからも頑張ります」と、“より一層”という思いを抱いたようだ。
また、こちらも2位タイで終えたツアー通算16勝のテレサ・ルー(台湾)も、最後まで渋野を追い詰めた一人。トータル9アンダー・3位タイからスタートしたテレサは、最終18番パー4を迎えた時、先にホールアウトした渋野とは1打差。さらにここでセカンドショットをバーディチャンスとなる4mにつけた。だがこの決めればプレーオフというパットが、カップの左に逸れジ・エンド。2季ぶりの優勝とはいかなかった。
試合後には、「勝てないと思っていたなかで、優勝争いができたのはよかった。楽しかったですね」とコメント。「16番でボギーを打って渋野さんと2打差になったので、残り2ホールはバーディを狙っていました」と 最後まで逆転を狙ったが、あと一歩及ばなかった。
ジエ、テレサ、イ・ミニョン(韓国)がいる最終組の7組前でスタートし、ホールアウトから約1時間30分後に優勝が決まった渋野は、強豪たちが追ってくる展開に、「プレーオフか、逆転もあるだろうな」と覚悟。 ラウンド後は途中経過なども確認せず、プレーオフに備え練習グリーンでパターを振って過ごした。それだけに、最後までわずか1打のリードを守り続けることができたことに、「ビックリしました」と驚きの声をあげた。(文・間宮輝憲)
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