<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 初日◇27日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6505ヤード・パー72>
スマイルシンデレラは、不名誉な記録の回避の仕方もドラマチックだった。17番を終えてノーバーディ・3ボギー。このままだと今季初となるバーディなしのラウンドになるところだったが、18番でバーディを奪いフィニッシュ。トータル2オーバーの49位タイと出遅れるかたちにはなったが、安どの表情で初日を終えた。
奈紗とシブコが健闘たたえるハグ【大会フォト】
18番パー5でようやくらしさを見せた。残り233ヤードのフェアウェイから2オンを狙った球は、グリーンには届かなかったものの花道に。ここから33ヤードのアプローチを1mに寄せて、待ちに待った大ギャラリーからの大歓声を引き出した。
渋野自身も、最後にノーバーディだったラウンドを覚えておらず、「81のとき(KKT杯バンテリンレディス初日)もバーディは獲っていますし…」と記憶をたどり始めるほど。報道陣から『アース・モンダミンカップの第2ラウンドですよ』と言われ、「え? ノーバーディだったんですか」とその記憶も曖昧。続けて『去年のですよ』と聞かされると、「去年!? 今年かと思った。セーフ!(笑)。よかった、よかった」と、今年まだノーバーディのラウンドがないことに白い歯をこぼした。
「楽しみたい」と臨んだ今大会。その言葉通り、ノーバーディだからといってイライラしていたわけではなかった。「先週の最終日(64で8打差逆転優勝)みたいにノーボギーの日があるということは、逆にそういう日(ノーバーディ)もあるよなって思っていました」と割り切りはできていた。
また、初起用の16歳キャディ・湯淺芹(せり)さんも大きな力となった。「10番の3パットだったり、ボギーを打つ度に怒りそうになったけど、芹の顔を見たら大丈夫でした(笑)」。渋野曰く、「大丈夫だよ」と言っているような顔を見て安心したという。
さらに、こんな笑い話も。「基本的にラインを1人で読んでいたのですが、全然決まらないので最後だけ芹に読んでもらった。そしたら入って。“明日からよろしく”って伝えました(笑)」と、いつも傍らにいるプロキャディとはまた違った側面でしっかりと支えられていた。
もちろん、中学生以来の同組となった畑岡奈紗の存在も忘れてはならない。「最後のほうに“一緒に回れて、すごく楽しかったね”って言い合いました」とこちらも気持ちを切らさないために大きく作用したのは確かだ。
明日は、「18番でボードを見たときに(渋野が)2オーバーだったので、私も絶対(バーディを奪って)2オーバーにしようと思った。一緒に回るために頑張った」と話す大里桃子と同組に。首位とは8打差。カットラインが気になる位置からのスタートとなるが、親友とともに初日の鬱憤(うっぷん)を晴らすようなプレーを期待したい。(文・秋田義和)
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