<中国新聞ちゅーピーレディースカップ 最終日◇27日◇芸南カントリークラブ(広島県)◇6420ヤード・パー72>
雨予報が一転、快晴で行われた最終日。首位と4打差から出て「63」で回った木下彩が、トータル12アンダーでプロ初優勝を飾った。この日奪ったバーディはステップ最多記録となる11個(2ボギー)。バックナインの「30」は9ホールでの最少ストロークタイと記録づくめの初優勝劇だった。
この人気選手と一緒にプレーして優勝をつかみました【最終日フォトギャラリー】
最終18番ホール。11個目のバーディとなる1.5メートルのパットをど真ん中から沈めると、静かに拳を握りしめた。同組は三浦桃香、竹内美雪というレギュラーツアーでも人気を集める屈指の注目ペアリング。そのなかで引き連れた大ギャラリーの視線は、木下の圧巻のプレーにくぎ付けとなった。
普段は「ネガティブ思考」と語るが、この日はスタートからポジティブ思考を貫いた。前半2つのボギーを叩いたもののへこたれない。ステップパーオン率1位のショットを武器にチャンスを量産すると、「今日はカップを外して打つラインがほとんどなかった」と、ことごとくモノにした。
最終18番も自身の名前が一番上にあるボードを背に、重圧のかかる下りのライン。「入れたら優勝とか、入れたらベストスコア更新(これまでの自己ベストは「64」)とか良いことしか考えなかった」とこともなげに流し込んで、圧巻のラウンドを締めくくった。
山口県出身。トーナメント開催会場としては地元から最も近い地での初優勝を手に、次週は予選会を突破した国内メジャー「日本女子オープン」に出場する。そこでの再会を楽しみにするのが、中学2年からの大親友で、プロテストから練習ラウンドを必ずともにする渋野日向子だ。渋野と会うのは7月の「ニッポンハムレディス」以来。「全英AIG女子オープン」優勝のお祝いもできていなかったが、これでもう祝福するだけではない。
「まずは先に(おめでとうって)言って、(渋野に)言ってもらおう(笑)。渋野はステップは勝っていないので、『ステップはお先ですって(笑)』。他は全部先に行かれたけど、次はレジェンズで(笑)」。ド派手な最終日で手にした初タイトルは、レジェンズまで続く(?)長いプロ生活の確かなステップとなる。
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