<日本女子オープンゴルフ選手権 初日◇3日◇COCOPA RESORT CLUB 白山ヴィレッジゴルフコース QUEENコース(三重県)◇6479ヤード・パー72>
首位とは3打差。ここ数週間、不振に陥っていた原英莉花が快調にスコアを伸ばした。ショット、パットともに光明を見いだし、7バーディ・2ボギーの「67」。5アンダーの7位タイという結果に笑みを浮かべた。
これが原英莉花のエースパター 名前入りです【写真】
ツアー初優勝を挙げてからもトップ10をにぎわし、2勝目も近いと言われている原だが、9月に入ってからは調子を落とした。「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」では予選落ち。翌週の「デサントレディース東海クラシック」では予選を通過するも、最終日は「81」を叩き最下位に終わった。先週の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でも予選落ち。「結構、メンタルがきていて…」と、悩み深き時期を過ごしていた。
そんな状態からの脱却は、今週ふいに訪れた。まずはスイング面。「ボールをしっかり押せていなかった。点で打とうとしていたのを、インパクトゾーンを長くするようなイメージにしたらうまくいった。ずっとトップに意識がいっていたのを、前に意識がいくことによって、出球がそろってきました」。
トップからダウンスイングで「当てに行く」スイングから、インパクトを長い線で捉え、フォロスルーまで意識することで、方向性、弾道をそろえることに成功。「クラブへの不安とかはありましたが、結局は自分のスイングの問題でした」。自ら改善策を見つけ、「それだけに徹しました」とフェアウェイキープ14ホール中10回、パーオン成功も14ホールと安定したパフォーマンスを発揮した。さらには、こちらも悩みが深かったパッティングでも、ひらめきがあった。
師匠のジャンボこと尾崎将司から譲り受けたパターなど、今季は数種類を使ってきたが、現在使用するのは『オデッセイ ワークスBIG T BLADE』。今週はこちらもひらめきで、パターのインサートを変更した。「距離感とイメージが一致しました」と、デサントの最終日には「35」まで落ちたパット数が、この日は「27」パット。スコアメイクの肝が、まさに機能した。
今週、入れたインサートは、オデッセイの名作『ホワイトホットインサート』。あの、白いインサートの初期モデルだ。「音と感触が合っていて、『これキター』と思いました(笑)」と、耳から入る音と、手に伝わる感じが完全一致。10番では7メートル、12番では10メートルのロングパットを読み切り、沈めてみせた。
飛距離が武器のショット力はツアー随一。そこにきて、新エースインサートが見つかったとなれば、あとはビッグタイトルに向けてさらにスコアを伸ばすのみ。首位との3打差を徐々に詰め、一気に爆発といきたい。(文・高桑均)
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