<ブリヂストンオープン 事前情報◇8日◇袖ケ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)◇7119ヤード・パー71>
「ブリヂストンオープン」開幕を2日後に控えた袖ケ浦CC袖ケ浦コース。強い風が吹いたものの、穏やかな天候の中で多くの選手が練習ラウンドを行った。
9月19日ころの会場の様子…【写真】
約3週間前、コースを見たツアーディレクターの遠藤誠氏は「とうてい開催は無理だ」と思った。9月9日の台風15号の影響で、甚大な被害を受けた千葉県。本コースも例外ではなく、コース内には倒木や枝葉が散乱。クラブハウス内にも水が入り込み、10日間ほどは停電が続いた。確認できたものだけで1200本以上の倒木被害があり、同クラブが所有するもうひとつの新袖コース、大会会場の袖ケ浦コースと併せて概算で総額3億円の被害を被った。
被災から27日間。大会の開催が危ぶまれるほどの状況から、どう回復したのか。「大会に間に合わないと思ったので、全部片付けるつもりだった」と語るのは、同クラブの取締役総支配人、関根秀幸氏。従来から親交のあった地元の建設会社の協力を得て、いち早く対応できるようにと、台風の前日からあらかじめ待機してもらっていた。「念頭にブリヂストンオープンがあったので。それをやらなかったら、停電や道路の不通、重機や車両の手配が間に合わず、2日間は作業ができなかったと思います」。
そこからは1日40〜60人ほどの業者に加え、コース管理部の職員それぞれ40人ずつと、キャディやレストランのスタッフにも出てもらい、大急ぎでの復旧作業を行った。遠藤氏とも相談して、“まずは大会が開催できるまで”と優先順位をつけて作業を行う予定だったが、「被害が一番ひどいときが10だとすると、6までいけばいいと思ったいたのが9まで片付いた」(遠藤氏)と、大会当週にはきれいなコースが広がっていた。
しかし、ほっとしたのもつかの間、今週は再び台風19号の接近が危ぶまれている。「倒木に関しては予防はできないので、もしもの場合に備えて」と、復旧作業に協力してもらった業者には、今回も控えてもらっている。
被害総額のうち、およそ9000万円の設備被害に関しては保険が適用されるが、コース内の倒木には適用されない。「今の私の仕事は、資金手当をどうするかです」(関根氏)と語る。迅速な対応で無事に開幕を迎えることをまずは喜びたいが、再生への道のりはもう少しかかりそうだ。(文・谷口愛純)
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