<ZOZO Championship 初日◇24日◇アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉県)◇7041ヤード・パー70>
歴史的な4日間がついに幕を開け、初日から1万8536人が来場して会場は熱気に包まれていた。
会場オープンが午前7時。コース最寄りの千葉ニュータウン中央駅から出ているギャラリーバスは、約2時間待ちの長蛇の列。会場に着けばギャラリーゲートにも大勢の人が列をなし、ゲートが開くと同時に走り出す人の姿も…。練習場やスタートホールに向かってすぐに大行列ができた。
会場に入ってすぐにあるグッズショップは、午前8時に行ってみるとすでにレジが30分待ちの混雑具合。大会ピンフラッグはものの数10分で完売し、タイガー・ウッズ(米国)のイニシャル『TW』入りのキャップも、昼どきを迎えるまでに品切れとなった。
想定されていた2万人を若干下回ったが、1万8536人という数字は通常の国内男子ツアーでは考えられない数字。国内ツアーでは、今季の“4日間合計の”来場者数の平均が1万2839人となっており、初日だけで4日ぶん以上の集客を記録したことになる。ちなみに、今年で1番入場者数が多かったトーナメントは、5月の「中日クラウンズ」の2万8060人だが、週末になればさらに混雑が予想されるため、2日目が中止となったが、この数字もはるかに上回ることは間違いない。
中でも、やはり大勢のファンを集めるのがタイガーの組。ふだん、メディアは取材のためにロープの中に入れるようになっているが、今週はタイガー組のみ人数制限が設けられた。日本のメディアだけで78社220人、海外メディアも36社87人の取材登録がされている。混雑を考えてロープ内に入れるのは50人前後に制限されたため、筆者もロープ外からの“タイガー観戦”に挑戦となった。
…が、まずスタートティからタイガーの姿が全く見えない。タイガーのティオフ数十分前には10番ホールのティイングエリアからグリーンまで人が途切れず待っている。ティの周囲は何重にも人がひしめきあい、ひと目でも姿を見ようと、隣り合う9番、18番グリーンのギャラリースタンドも満席だった。着弾地点で待ち構えようと試みるも、ホールどうしが隣り合う箇所だと人の波で身動きが取れない場所もある。しかし、サイドが広かったり、アップダウンがあるホールでは、意外とプレーをゆっくり見ることができた。
加えて、ZOZO-の盛り上がりを一番実感できたのもこの組だろう。早朝からスタートティでは選手が登場するたびに拍手や声援が鳴りやまず、ショットを打てば大歓声。タイガーの組はひときわ大きく、バーディを獲れば数ホール離れていても聞こえる、海外メジャーでよく耳にする地鳴りのような歓声が鳴り響いた。
普段にはない盛り上がり方に、日本人選手はもちろん、米ツアー選手も『まるでメジャーのような盛り上がり』と驚きの声を上げた。13年ぶりに日本でプレーする姿を見せたタイガーを始め、世界のトップ選手の迫力を間近で感じられる貴重な機会。競技人口の減少や人気低迷が課題となっているゴルフ界に転機をもたらす、貴重な1週間となりそうだ。(文・谷口愛純)
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