<TOTOジャパンクラシック 2日目◇9日◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6659ヤード・パー72>
スイングをするたびに、ギャラリーがどよめきの声を挙げる。レクシー・トンプソン(米国)が、米ツアーでも屈指のパワーを日本のファンに見せつけた。
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初日を2オーバー・58位タイと出遅れたレクシーだったが、一夜明けた2日目は、前半から大きな見せ場を作った。それが540ヤードの18番パー5だ。
それまでもショットの度に、ギャラリーから感嘆のため息がもれていたが、ここでのドライバーショットの際には、『なんだあのショット』、『すっげ〜』と一段とその驚きは大きかった。このティショットは、同組の柏原明日架、ユ・ソヨン(韓国)を40ヤードほど引き離した。続けてエッジまで残り240ヤードほどのセカンドショットを3番ウッドで“軽々”2オン。さらに「2パットで決められればと思っていた」と放った手前15mの上りのイーグルパットをねじ込むなど、まさに“やりたい放題”のホールとなった。
両手を広げて喜ぶレクシーを、スタンドのファンが祝福。そのシーンを思い返すと「歓声が聞こえるたびに身震いするわ。本当に日本のファンは大好き」と、感謝の言葉を伝えた。その1つ前の476ヤードの17番パー5も、女子では滅多に見られないロングアイアンで放ったセカンドショットをグリーンに乗せ、2パットのバーディ。ここは短めのパー5とはいえ、まるでパー4でプレーしているのかと錯覚するような光景だった。「パー5は本当に調子がよかった! このアドバンテージをうまく生かさないとね」。ラウンド後には、チャーミングな笑顔も見せた。
4つあるパー5では、2日間合計で4度の2オンに成功。米ツアーで今季平均277.11ヤードを飛ばし全体5位につけ、メジャー1勝を含む通算11勝を誇る飛ばし屋は、その利点も生かして、この日4つスコアを伸ばした。“飛ばしの秘訣”について聞いてみると、返ってきた答えは「打って、願うだけよ」。クラブハウスに戻ると、24歳の若き女性らしい無邪気な一面ものぞかせる。現在、スイング改造に取り組んでいる最中と明かしたが、そのなかでも見るだけで伝わる脅威のヘッドスピード。世界の飛ばし屋の底なしのパワーを垣間見ることができた。
同組の柏原も「規格外」と目を丸くしたショットを武器に、2日目に一気に27位タイまで浮上。最終日も豪快なショットを期待する言葉を投げると、「もちろんよ! みんな目にすることになるわ」という約束もしてくれた。今年の大会でその迫力ショットを堪能できるのは、あと1日だ。(文・間宮輝憲)
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