<カシオワールドオープン 初日◇28日◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知県)◇7335ヤード・パー72>
「カシオワールドオープン」の初日を終えて、単独首位にはベテランの宮本勝昌、1打差には今季初優勝を挙げた堀川未来夢らが続いた。その中で、2017年「関西オープン」以来となる2位タイの好スタートを切ったのが33歳の小林伸太郎だ。
夕焼けに はためくピンと 西分海【写真】
2007年の「日本アマ」を制すると、09年にプロ転向。その後は中々活躍の場を得られずにいたが、14年にQTで上位に入って出場権をつかむと15年に初シードを獲得した。16年初戦の「SMBCシンガポールオープン」で日本人選手最上位の4位に入り存在感を見せつけたが、翌年にはシードを手放した。
「シードを落として、離れていく人が多いと思っていた」。“シード陥落”という言葉は重くのしかかったが、同時に大きな転機となる。SMBC-での小林の活躍を見て親交を深めた知人から、シード落ち後にスポンサードの申し出があった。「個人ですし、ロゴも入っていない。でも“応援する”と言って頂いて本当に嬉しかった」。周囲の激励を励みにし、プレースタイルもガラリと変えた。
もともと低弾道で操作性を重視する打ち方から、弾道を高くして飛距離を伸ばすよう、クラブも大幅にチェンジした。「ドライバーのヘッドも大きくして、シャフトも柔らかくしたり。まだ、いろいろ挑戦中です」と笑って見せたが、この2年間で飛距離は15ヤードほど伸びたという。
今季は下部ツアー(AbemaTVツアー)を主戦場とし、6度のトップ10入りを果たして賞金ランクは7位でフィニッシュ。この資格で、来季はレギュラーツアー前半戦への出場権を手に入れている。「来季にむけて、2年前にツアーを戦っていたときの感覚を取り戻したい。普段お世話になっているスポンサーやメーカーの方々、そして自分のためにあした以降も頑張りたい」。シードを落としてからの2年間を「分岐点」と振り返った小林。積み重ねてきたものが、ようやく開花しつつある。(文・谷口愛純)
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