<LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 2日目◇29日◇宮崎CC(宮崎県)◇6535ヤード・パー72>
最後まで諦めない。3オーバー・26位タイと女王争いを繰り広げる2人に対して大きく出遅れた申ジエ(韓国)だったが、2日目に4バーディ・2ボギーの「70」でラウンド。渋野日向子とは同スコア、鈴木愛よりもいいスコアで回り、トータル1オーバー・17位とまだ順位は及ばないが、いい流れを作り追撃態勢を整えた。
以前から痛めている右手首から指にかけてが、朝からひどい状態だった。さらにグリーン周りのティフトン芝にも苦しんで1番から連続ボギーを叩いてしまう。それでも諦めるわけにはいかなかった。そして、それは女王のためだけではない。
「きょうもたくさんの人が応援に来てくださりました。そのなかには月曜日に訪問した児童養護施設の方々もいました。その応援はとても力になりましたし、ネバーギブアップと思って頑張りました」
満身創痍の状態でも顔を上げると、3番でバウンスバック。さらにそこから3つのバーディを重ねて「地面が硬いのでアイアンを打つときは痛かったですね」という状態のなか、3番以降はノーボギーでまとめて見せた。
施設訪問は今年で7年目。昨年は「みんな私が来るのを楽しみにしてくれているんです。会場に応援に来ることはできませんが、少しでもテレビに映って、優勝カップを掲げるところを見せたい」と語り、有言実行で優勝を決めたジエ。今年は“諦めない大切さ”を背中で語る。(文・秋田義和)
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