<LPGA QTファイナルステージ 3日目◇5日◇こだまゴルフクラブ (埼玉県)◇6472ヤード・パー72>
今季賞金ランク115位(約348万円)に終わり、QTから来季のレギュラーツアー前半戦出場権獲得を目指す渡邉彩香が、3日目に5バーディ・2ボギーの「69」をマーク。トータル2アンダー・14位タイに浮上し、突破に向け前進した。
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「バーディチャンスにベッタリつけたのは多くないけど、パターがよかった。3〜5mの距離が入ってくれた」。この日はグリーン上でナイスバーディだけでなく、ナイスパーを拾えたことも60台のスコアにつながった。10番では10mのパットをねじ込んでバーディ。30試合に出場した今季のレギュラーツアーでも2度しか記録できなかった60台を、この大一番で出した。
「失敗したくない」というQTに向け渡邉は、2つのことを変えて臨んだ。まず1つがドライバー。3勝目を挙げた2015年の「樋口久子 Pontaレディス」でも使用した、ブリヂストンの「J015 ドライバー」を、先週のファーストステージから使用している。ツアー屈指の飛ばし屋として知られるが、今季のフェアウェイキープ率は『44.1837%』で97位。この数字にも表れるように、ここ数年は“曲がるティショット”に悩まされてきた。
スイング面の試行錯誤は続くが、このQTでは「自分が一番稼いだ時」と賞金1億円超を果たした時にも使用した、いわば“縁起物”のドライバーを握った。これまでのよりも「ヘッドが小ぶり」というもので、初日を終えた時には、「ティショットはノンストレス」という言葉も出たほどだ。
もう1つの変更点が、この日のポイントに挙げたパットの練習法。もともと「好きなクラブ」の1つだが、今季はパーオンホールでの平均パット数が『1.8575』の76位(前年は30位)に落ち込むなど、ここがスコアロスの原因にもなっていた。
そこで今週からカップを中心に、3mまでの距離内で周囲を回るようにして打つ練習に変えた。これまでは「真っすぐを、しっかり打てればいいと思っていた」と、ひたすら同じ2mの位置から20球連続で決める「根性の練習」を続けてきた。だがここで「ラインを読む練習にもなる」と新たな練習法を試し、そしてそれがハマった。
初日こそ「74」でスタートしたものの、2日目に「71」、そしてきょうが「69」と尻上がりのスコアにも好感触。「パターはすごくいい。あとはショットを修正していきたい。最後まで集中ですね」。シード選手への返り咲き、さらに復活の4勝目を挙げるためにも、来季のレギュラー出場権は最低限の目標だ。(文・間宮輝憲)
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