多くのドラマが生まれた2019年シーズンに活躍した選手たちに、一番“印象”に残っている1打を挙げてもらった。良かったものを挙げる選手、悪かったものを挙げる選手。性格やその年の活躍が如実に出るこの企画。今回は、ルーキーイヤーで初優勝を挙げた稲見萌寧。
稲見萌寧の最新ドライバースイング【動画】
今季めざましいステップ・アップを果たしたのが昨年のプロテストに一発合格した稲見萌寧。QTは失敗したが、限られた出場機会を生かし、前半戦から幾度となく上位入り、第1回リランキングをクリア。瞬く間にツアーを代表する選手へと駆け上がった。
6月までにトップ10が3回、そして7月の「センチュリー21レディス」では見事にツアー初優勝を果たし、賞金ランキングは13位。世界ランキングも54位と、日本勢4番手につける。
そんな稲見が、今年いちばん印象に残る一打に挙げたのは、優勝したセンチュリー21での最終パットだ。「3メートルのパット、ボール1コぶんスライスでした。プレーオフだけはしたくなかったので、決めたくて決めたくてしかたなかった」と振り返る。
ツアー初優勝が懸かった大事なパット。「入った瞬間は“無”でした(笑)。真っ白、『勝ってうれしい!』というより、ここまでつらかったという感じでした。あれで人生が変わったなというのはあります」と、念願を叶えた瞬間はうれしさよりも安堵の気持ちが強かった。
「パッティングはいちばん苦手です(笑)」としたが、このときは苦手なフックラインではなくスライスライン。そんな状況も稲見を後押ししていた。パーオン率1位のショット力に加え、勝負どころのパッティングが入れば、来年は複数回優勝に期待がかかる。
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