日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は17日(火)、都内で会見を行い来季のトーナメント規約・規定変更の詳細を発表した。改定されるのは8点で、そのうち3つの項目については来季のメルセデス・ランキング改定に伴うものとなった。
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このメルセデス・ランキングの大きな変更点は、当サイトでも以前報じた通り『ランキング上位50位までに翌年1年間のシード権』、『同51〜55位に翌年度の第1回リランキング(前半戦)までの出場権』が与えられること。現行では主に賞金ランキングが大きな役割を果たしている出場権獲得の機会が拡大する。また『大会開催前週までのランキング上位30名に、LPGAツアーチャンピオンシップの出場資格』の付与や、海外メジャーでの獲得ポイントも加算対象にすることなどで、よりメルセデス・ランキングの価値を増していくのが改定の背景にありそうだ。
LPGAが「選手のモチベーションアップ、トーナメントの活性化、海外メジャー競技への参戦を促すことで、さらなるツアー強化を実現する」ことが目的と話したこの変更が、そのままツアー規定にも反映されることになった。これにより、メルセデス・ランキングにおいて出場ラウンド数ポイントの廃止や、現在 20位までにしか与えられない順位ポイントが予選通過者にまで拡大。「賞金の配分と異なり、30位くらいから獲得ポイントが伸びる配分にした。これによって選手の順位に対するモチベーションが変わってくる」(LPGA)ことなどが期待される。
この他の規定変更を見ると、アマチュアの主催者推薦回数の上限に関するものも新設。今まで無制限だったが、プロ選手(TP登録者)と同じく8試合に変更される。2016年に勝みなみがアマチュアながら21試合に出場したことを例に出し、LPGAは「一部の選手の主催者推薦による出場が集中しているため、学生の本分である勉学に影響が発生している事態を是正するため」と説明した。
また、来年の東京五輪開催を考慮した規定が新設される。これは五輪出場選手の義務免除に関するもので、『五輪の前々週〜当週』、また『五輪の前週から翌週』の3週間の出場義務が免除され、さらに出場選手は五輪がツアー出場義務試合数に加算される。代表選手に万全の調整を行ってもらうための、協会側のバックアップといえる。
残りは、『日本女子プロゴルフ選手権で海外選手がプロアマに出場するための変更』、『新人戦の出場資格について』と、『リランキング制度実施時期』に関するもの。リランキングについては、五輪期間をまたいで実施されることになり、第1回を現行の6月末から7月末に変更することが発表された。
【2020年度・トーナメント規約・規定改定の概要】
(1)メルセデス・ランキング上位50位までに翌年度のシード権を付与
(2)メルセデス・ランキング51〜55位までの選手に翌年度の第1回リランキングまでの出場権を付与
※上記2項目については2020年度のランクに基づき、2021年より付与
(3)大会開催前週までのメルセデス・ランキング上位30位までの選手に、「LPGAツアーチャンピオンシップ」の出場資格を付与
(4)臨時アマチュア選手の主催者推薦回数の上限を無制限→8回に変更
(5)五輪出場選手は指定期間について3週間の出場義務を免除。また五輪競技を出場試合数に加算
(6)日本女子プロゴルフ選手権のプロアマ選考条件の2番目に『7月6日時点の世界ランク上位30位までの者』を追加。これにより海外から出場する選手のプロアマ出場が可能に
(7)新人戦の出場規定を『前年度の最終プロテスト合格者』、『前回開催以降に、ツアー優勝などで入会が認められた選手』へ変更
(8)リランキング実施時期を6月末→7月末に変更。第2回の実施時期はこれまでと同様
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