“大記録達成”&“衝撃8打差逆転V”でフィーバー加速! 「葛藤」乗り越えた意味深い1カ月【プレーバック・渋野日向子2019 9月編】

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“大記録達成”&“衝撃8打差逆転V”でフィーバー加速! 「葛藤」乗り越えた意味深い1カ月【プレーバック・渋野日向子2019 9月編】

全英制覇によって日本に巻き起こった“シブコ・フィーバー”。それは帰国から1カ月を過ぎても、冷める気配はなかった。それどころか、これをむしろ加速させるようなできごとが、この9月に起こった。
8月は凱旋試合となった「北海道meijiカップ」と、最終18番でまさかの3パットを喫し3位タイに終わった帰国2戦目の「NEC軽井沢72ゴルフ」を戦い、「CAT Ladies」の週にしばしの休息。休み明けとなった続く「ニトリレディス」(最終日は9月1日)でもしっかりと5位に入るなど、コースに駆け付けた大勢のファンに“メジャー女王”の実力を見せ続けた。さらに翌週の「ゴルフ5レディス」をスキップし、万全を期して迎えたのが、国内メジャー今季2戦目となる9月12日開幕の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」だった。
帰国後初となる関西での試合。さらに、会場となった兵庫県のチェリーヒルズGCは、1年前にプロテストを受験し、合格した思い出のコースでもあった。「ここ4戦で一番いい!」。開幕前には、こんな景気のいい言葉も飛び出しており、心身ともに充実している…誰もがそう思った。しかし実際のところ、この時の渋野は人知れずのしかかっていたさまざまな重圧に苦しめられていた。
この大会で、渋野はある記録の更新に挑もうとしていた。それが国内ツアーにおける『連続オーバーパーなしラウンド』の新記録だった。ニトリレディスの最終日に「71」をマークした時点で、2013年にアン・ソンジュ(韓国)が打ち立てたツアー記録の『28ラウンド』に並び、このメジャー大会の初日にその更新がかかっていた。そして期待に応えるように、初日を「70」でラウンド。長年1位に君臨していた記録を、『29ラウンド』に塗り替えた。
後に渋野は、この時期のことをこんな風に語っている。「メジャーという大舞台だし、記録もかかっていたし、コニカミノルタのあたりは本当にしんどかったです。ゴルフをやっていても、楽しくありませんでした」。
この重圧から解放され“ホッとしたかのように”、2日目は国内で30ラウンドぶりとなるオーバーパー「75」でホールアウト。順位も11位タイから42位タイに落としてしまった。3日目も「72」と足踏みする1日になったが、最終日を「70」で回り、1万2000人以上が集まったファンを喜ばせた。それでも初優勝を挙げた「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」に続く国内メジャー連勝はならず。33位タイで大会を終えることになった。
メジャー女王としてのプレッシャー、自分に集まる多くの視線…。海外で挙げた1つの勝利で突然“世界が一変”し、心身ともに疲れがピークに達してもおかしくなかったのが、この時期だろう。だが続く「デサントレディース東海クラシック」で、渋野日向子の強さを改めて人々の心に刻む劇的勝利をつかむことになる。
初日を同級生の原英莉花、新垣比菜と回った渋野は、ここで「久しぶりにいい気分です。楽しくプレーすることができました」という気持ちを取り戻した。「一緒に回った2人のおかげですね」。時に笑い話に花を咲かせながらのラウンドは、等身大の自分に戻れる時間になった。この結果、トップと6打差こそついたものの、初日8位タイと好発進を切った。続く2日目は「70」で回り、首位と8打差の20位タイまで順位を落としたのだが、これがその後の“演出材料”となった。
最終日を迎えた大会で、トップに立っていたのは申ジエ(韓国)。伸ばしあいの大会で、この実力者との8打差は絶望的な差と言っても過言ではない。もちろん相手はジエだけではない。誰がどこから伸ばしてもおかしくない大会だった。渋野自身も「(逆転は)ムリだと思っていました。最後まで悔いの残らないように攻めよう、それだけを考えていました」と、ラウンド前の心境を後に語った。しかし、スコアを伸ばした“誰か”は、他でもない渋野日向子だった。
この日の渋野はパットが絶好調で次々とチャンスを沈めていった。そして15番パー5でこの日7つ目のバーディを奪い、渋野から遅れること1時間30分後にラウンドを開始した首位のジエに、ここで並んだ。さらに16番パー3で、逆目の難しいラフから15ヤードのアプローチを直接決めるチップインバーディを決め単独トップに。最終18番では6mのバーディパットがカップに蹴られたが、この時点で1打のリードを持ってクラブハウスに戻ってきた。
まだ最終組は12番をプレーしており、この1打差は十分なリードとは言い難い。しかし、渋野のホールアウトを待ったかのように、突如強く吹き始めた風の影響などもあってか、その後ジエも含め後続の選手はスコアを伸ばしあぐねた。結局、プレーオフに備えパッティンググリーンで練習していたルーキーを追い抜く選手は現れず。全英から帰国後初優勝は、8打差逆転という、あまりにインパクトの大きい勝利となった。
この優勝会見では、喜び、驚きの言葉とともに「ここ1カ月間、葛藤がありました」という心境も吐露した渋野。今季開幕時は「試合に出られることがうれしかった」という喜びをかみしめながらプレーしていたが、取り巻く状況が大きく変わり、バランスを崩す原因になった。しかしこのデサントでの優勝で、「(葛藤が)晴れたかもしれないですね」と心に晴れ間が差し込んだ。
まだハタチを過ぎたばかりの若者にとって、一つの壁を乗り越えた意味深い試合だった。
【9月の成績】
■ニトリレディス
5位
■日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯
33位タイ
■デサントレディース東海クラシック
優勝
■ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン
22位タイ
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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