<ゲインブリッジLPGAアット・ボカ・リオ 3日目◇25日◇ボカ・リオGC(フロリダ州)◇6701ヤード・パー72>
米ツアーデビュー戦で予選通過を果たした河本結が、ムービングサタデーに6バーディ・3ボギーの「69」をマーク。スコアをトータル6アンダーまで伸ばし、前日の19位タイから16位タイに順位を上げた。
河本結の手を使わないドライバースイング【動画】
ショートパットに苦しんだ2日目は、1つスコアを落とす結果になったが、この日は着実にカップにボールを沈めていく。そして“問題解決のヒント”は昨年受けた米ツアーの予選会にあった。ここで今大会の会場と同じバミューダ芝を相手にした河本は、その際キャディから『グリーンの読みすぎに注意』というアドバイスを受けていた。
目も強く、傾斜も細かいこの洋芝でのプレーは、しっかりとラインを読んでいても、ボールが思いもしない動きをすることも少なくはない。それを1つスコアを落として迎えた9番のグリーン上で「ふと思い出した」河本。すると、その後のパットで気持ちが楽になった。
「ラインの読みを真剣にではなく、第1印象を重視したら後半すごく良くなりましたね」。この9番で4mのフックラインを沈めると、続く10番でも前日苦しんだ1mを決め連続バーディ。流れを作り出した。さらに1つ伸ばした後の16番で1mを外してしまい、前日の悪い雰囲気が頭をよぎったが、これは気持ちで払拭。「“イラッ”とはしなかったけど、“ムカッ”ときて、それがいい方向に出ました。17、18番は何がなんでも獲るっていう気持ちでした」。強い思いを見事に具現化し、上がり2ホールを連続バーディで締めくくった。
上々の形でのホールアウトに気をよくした河本に、さらにうれしいできごとが訪れた。この日ツーサムで一緒にラウンドしたのは、メジャー2勝を含むツアー8勝のブリタニー・リンシコム(米国)だった。「ショートゲームがものすごく上手で、ボールのコントロールもベテランの技が見えた」と、長年ツアーを引っ張ってきた実力者の技術に驚きもしたが、その人から最後に『Welcom to US LPGA!(ようこそ米国ツアーへ!)』と歓迎の言葉を贈られ、胸を熱くした。「分からない英語もゆっくり話してくれたり、優しかった。すごく居心地がよかった」。米ツアーで戦っていることを、こういう場面でも実感する。
米ツアーデビュー戦も残るはあと1日。最終目標は「トップ10。でも、そこを目指すならトップ5に入るくらいの気持ちがないとダメだと思う」と高く設定した。3日目が終わってトップとは9打差のトータル6アンダー。「スコア的には(トータル)10アンダーを成し遂げたい」と話すが、やはりここでもそのスコアを上回る「目指せ(トゥデイ)6アンダーですね!」という目標を掲げ、自らを鼓舞した。(文・間宮輝憲)
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