2020年の活躍が期待される“若手のホープ”のスイングを、自身も昨年までレギュラーツアーで戦っており、「ほかの選手のスイングを研究することが好き」と語る大江香織が解説する。今回は昨年プロテストに合格した“プラチナ世代”の最注目ルーキー・安田祐香。
「アジアパシフィック女子アマチュア選手権」優勝やオーガスタナショナルGCで行われた「オーガスタナショナル女子アマチュア」で3位タイと華々しい成績を残したアマチュアの大会以外でも、アマチュアの連続予選通過タイ記録(10試合)や「ニトリレディス」4位などプロのトーナメントでも実績を残してきた安田。昨年のプロテストを4位タイで突破すると、来季前半の出場権をかけたファイナルQTでも2位に入り、着実にスターへの階段を上っている。
大江はそんな安田のドライバーショットの連続写真を見るなり「とてもバランスがいい。綺麗なスイング。プレッシャーのかかった場面でも変わらずできるスイングだと思います」と声を上げた。
「まず、テークバックを見るとオープンフェース気味に上げていっています。こうすることで、しっかり体も回転できるし止まらない。フォロースルーでも左のほうへ振り抜ける。これがどんな状況でも普段のスイングができる秘訣です」
上げきった高いトップからのダウンスイングも高評価。「しっかり体が捻転したところから、クラブを上から落としてくる。この時にグリップエンドが地面を差すくらいクラブが立っているのがとてもいいですね。そこからインパクトを迎えるわけですが、ベルトのバックルは正面を向いてしっかり腰は回っているのに、上体は開いていません」。オーソドックスだが、とてもバランスがいいと賞賛した。
オーソドックスながら、体の捻転やヘッドの重みを利用して振り下ろしているため、パワーロスも少ないのが特長で飛距離の出るスイング。細身の体ながら、海外選手にも引けを取らないドライバーショットを放つ。
実に参考にしたくなるスイングだが、一つ注意点が。「このイメージでアマチュアの方がスイングしたときに、ちょっと腰が引けてしまう可能性があります。腰が引けてしまう方は、安田さんではなく、古江さんくらい沈み込んでためていって体が逃げない人を参考にするくらいでちょうどいいのかな、という気がします。2人とも素晴らしいスイングの選手ですから、うまく活用してみてください!」
大江香織(おおえ・かおり)/1990年4月5日生まれ、山形県出身。通算3勝。153cmと小柄ながら体全体を大きく使ったスイングで8年連続シードを保持するなど、息の長い選手として活躍。2019年にツアー撤退を表明、「ツアーを撤退するプロに“大江が生きているから撤退しても大丈夫”と思ってもらえるように、色々活動できたら」と2020年からは新たなかたちでゴルフに携わっている。
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