松山英樹のスイングといえば、トップで一瞬止まるような“間”が特徴的だった。でも今のスイングを動画で見てみると、かなり間が少なくなってきたように見える。その理由について松山がゴルフ誌ALBAの取材に答えた。
「昔は(今と)スイングが全然違いました。ドローなら左肩を残してフェースをターンしていた。フェードは左肩をさらに残して、遅れてくる分シャフトが立ってきて、それを利用するとボールが右に切れていく。そうやって左肩の残し具合で打ち分けていたときが、一番ボールを自在に操れていたんです。でも左肩を残そうとして、どんどん体が動かなくなってトップで止まるようになりました」
理由はそれだけではない。タイガー・ウッズ(米国)の存在もトップで止まる原因だったという。
「もともとタイガーみたいなグーッと沈み込む感じのスイングが好きで、真似しようとしていたらトップで止まるようになっちゃった。イメージはスムーズにいっているつもりだけど、映像見たら止まってるやんって」
理想のショットを追求していく過程で松山の考え方も変わってきた。トップの“間”が少なくなったように見えるのはそのためだ。「今も左肩を残すイメージはあるけど、残しすぎると力が逃げるので、もっと早くタイミングを取るようになりました」
では、今はどうやってドローとフェードの打ち分けているのか。ポイントは切り返しではなくフォローだという。「ドローはちょっと右を向いて右肩を目標に出していく。右肩をちょっとだけ高くもっていく感じ。フェードのときはちょっと左を向いて、(フォローで)ずっと右手が下にある感じで、ローテーションをしないように振っていく」
このスイング改造によって松山の目指す理想のスイングに近づいてきている。「どちらも打ち出す方向に向くだけで、軌道は変えたくない。できる限り同じ動きをずっとしていたい。トップも変えたくない。ちょっと右を向いたり、左を向いたり、そこからフォローの抜き方で打ち分けます。だいぶ考え方が変わったんですよ」
2017年以来、米ツアーの優勝からは遠ざかっているが、松山英樹は確実に進化を続けている。
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