国内女子ツアーが25日に初日を迎える「アース・モンダミンカップ」でいよいよ開幕する。久しぶりに女子プロたちの競演が見られるわけだが、トップ選手たちのスイングは今季どう変わった? 渋野日向子を全英チャンピオンへと導いた青木翔コーチに注目選手のスイングを解説してもらう。
昨年の「リゾートトラスト レディス」でツアー初優勝をつかんだ黄金世代の原英莉花。173センチの長身から繰り出される250ヤードを超えるビッグドライブは魅力だが、そのスイングの一番のポイントは「躍動感とリズム」と青木は分析する。
テークバックからバックスイングでいきなり良さが出ているのが原のスイング。「ややアウトサイドに上げていますが、注目はシャフトのしなりですね。シャフトが地面と平行になるときにシャフトがしなってヘッドが遅れて上がっているんです。つまり、手でクラブを上げていないということです」。しっかりと体の中心を回しながら、後から手がついてくるため、ここですでにパワーがたまっているというわけだ。
スイングの特徴は選手によって違うが、手で上げていないというのはトッププロに共通している。「原さんは手足が長いので、それをうまく利用しています。お腹からスイングを始動する人もいますが、原さんの場合は下から、つまり足からお腹へと動かしていく。起点が足となっていますが、これは長い足があるからこそで、そこから躍動感が生まれるわけです」。
「エネルギーの出力が足から始まっているため、スイング中は足の動きが多めに入りますが、それでリズムを取っています。動きは多くなりますが、それは悪いことではなく、ダウンスイングではしっかりと左足が左流れずに踏ん張っているため、パワーロスもありません。フィニッシュを見ても、ここまで振り切ってピタッと止まっていますし、流れるようにパワーを使い、最後まで安定しているということ。いいスイングですね」
昨年のドライビングディスタンスは4位だが、「ポテンシャルの高さは本当に高いですし、ここからトレーニングとスイングをもっと連動させていけば、今よりもっと伸びると思います」と青木も期待を寄せる。長身モデルのような容姿とともに、原の飛ばしの根源にある躍動感とリズムの取り方にも注目してみてはいかがだろうか。
解説
青木翔(あおき・しょう):1983年3月28日生まれ、福岡県出身。福岡大学ゴルフ部に在籍し、卒業後はツアープロを目指すも断念。コーチングの道に進み、数多くのジュニアゴルファーを教えてきた。2012年には自身のアカデミーを設立し、17年より渋野日向子のコーチに。現在は渋野のほかにも三ヶ島かなや野澤真央ら注目プロ、多くのアマチュアを指導する。
<ゴルフ情報ALBA.Net>