<アース・モンダミンカップ 3日目◇27日◇カメリアヒルズCC(千葉県)◇6622ヤード・パー72>
最終日最終組の平均年齢が20歳を下回るなど若い選手の躍動が目立っている国内女子ツアー開幕戦「アース・モンダミンカップ」。そんななか、賞金女王に2度戴冠、ツアー16勝と経験豊富な鈴木愛も首位と4打差のトータル7アンダー・4位タイと、優勝圏内で最終日へと向かう。
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前日にトリプルボギーを叩いた“鬼門”でこの日も苦しんだ。出だしから3連続バーディを奪う格好の展開を作ったものの、9番パー3で「体が開いて思ったよりも右に出てしまった」と前日に続く池ポチャでダブルボギー。次の10番で1つ獲り返したものの、その後は伸ばせず。それでも「71」で辛くも上位陣に踏みとどまった。
足踏みした理由はティショットの不調。「今日はフェアウェイキープがわずかに5回。後半に限っては1回のみです。絶対ダメな方向には外していないのでパーは拾えていましたが、これではスコアを伸ばしていけません。毎年5番ホールのティイングエリアが立ちづらい。今日も大きく右に曲げてしまった。そこからおかしくなった」。
パッティングは好調を維持しているだけにモヤモヤは募っていく。それでも「イメージよりもつかまっているという感じ。そこを修正できればいい感じに打てると思う」と改善点は見えていることは好材料。
首位に立つのは昨年プロテスト合格の黄金世代・田中瑞希。他にもプラチナ世代の古江彩佳、同じくルーキーの西郷真央、黄金世代の臼井麗香ら若い世代が上位にひしめき合う。経験の面で鈴木に分があるという見方が強いが、今大会では状況が違うという。
「今季初めての試合ですし、無観客なので大勢のギャラリーが入っていたいつもと雰囲気が違います。見ている方が多いほど“ミスしてはいけない”など緊張するものですが、今週はみんなプレッシャーを感じることなく、落ち着いてできているように見えます。経験が少ない子でも優勝する可能性は十分にあると思います」
確かに西郷が「無観客はアマチュアの試合のようで逆に集中できていると思います」といえば、首位を走る田中に至っては「無観客のほうが良かったと思います。大勢の前でプレーした経験がないので、(ギャラリーがいたら)萎縮していたと思う。今は緊張していないです」とまで言い切っている。優勝争いの重圧のかかりかたがいつもより少ない分、若手の躍動が目立っている側面は否めない。
そんないつもとは異なる戦いだが、優勝へ向かうプロセスが見えているのはアドバンテージの一つであることは間違いない。「勝つためには7つ、8つ伸ばさないといけないと思う。そこを目指したいですが、開幕戦ということもあるのであまり欲張らず。アウトコースのほうが伸ばしやすいので、今日みたいに出だしからポンポンバーディを獲っていけばチャンスはあると思います」。女王として、若手の前に壁として立ちはだかる準備は整っている。
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