<アース・モンダミンカップ 最終日◇29日◇カメリアヒルズCC(千葉県)◇6622ヤード・パー72>
決めればプレーオフ。大事な大事なパッティングはカップをなめて通り過ぎた。「アース・モンダミンカップ」最終日、初優勝を狙い首位からスタートした田中瑞希は3バーディ・4ボギーの「73」。トータル10アンダーと優勝スコアに1打届かず、3位タイで5日間に渡る戦いに幕を閉じた。
小柄な大砲! 田中瑞希のドライバースイング【連続写真】
並ばれても抜かれても最後まで食らいついた。出だしの1番でティショットを左のフェアウェイバンカー、そこから右ラフと右に左に曲げても5mを沈めてバーディ発進。3番、6番とボギーを叩いたが、8番で3打目をピタリと寄せてお先にバーディを奪う。スコアを戻して後半に向けて弾みをつけた。
だが、流れが変わったのは11番。パーオンしたものの、1.5mのパーパットを決められず3パットのボギー。「あれで悪い方向に行ってしまった」と勢いは停滞し、14番では3mのバーディパットがカップをなめたが外れ、16番ではグリーンわきのバンカーから寄せられずボギー。渡邉彩香、鈴木愛が伸ばすなか、苦しい状況が続く。
それでも「バーディとイーグルを獲るだけ、と切り替えた」と再び前を向くと、17番で3mを沈めて意地のバウンスバック。さらにバーディなら優勝の可能性を残せる18番パー5で、残り49ヤードの3打目を手前1.5mにピタリ。だが、多くの期待を背負ったパットはわずかに入らず。初優勝は目の前から消えた。
成長を感じた一週間だった。「ショット、アプローチ、パットと全体的にレベルアップできていると感じました」という技術面から、「(去年優勝争いした女子プロ選手権と比べて)焦らずフワフワせずできました。経験が生きたと思う」とメンタル面もレベルアップ。手ごたえは十分に感じた。
一方で、「まだまだ」と課題に挙げたのが勝負どころのパッティング。「最後のパッティングもそうですが、どうしても緩むクセが出てしまいました。プレッシャーがかかる場面ではまだまだだと思いましたね」。決めなければいけないところで決める。優勝した渡邉彩香、鈴木との差を痛感した。
会見中、目を潤ませる場面もあったが、最後まで田中らしい気丈さは見せた。「きつかったけど、終わってみたら楽しかった。勝てなかったことは課題として頑張りたい」。昨年から「みんな活躍して、優勝もしているので、早く追いつけるように精一杯頑張りたいです」と話す黄金世代の一角は、この経験を糧にさらに羽ばたいていく。
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