<ISPS HANDA 医療従事者応援 チャリティレディーストーナメント 初日◇3日◇伊豆大仁カントリークラブ(静岡県)◇6513ヤード・パー72>
3、4日と2日間行われるチャリティマッチに出場している原英莉花が、初日のラウンド中に発表された8月27日開幕の国内女子ツアー「ニトリレディス」の正式開催を喜んだ。
ホールアウト後の取材で、開催のニュースを聞くと「よかったー」と笑顔。思わずパチパチと拍手も出る大歓迎ムードだ。だがビッグニュースはこれだけではなかった。同大会は賞金総額が当初の1億円から2億円と倍増することも決定。優勝賞金が3600万円になった背景には、「明るい話題を届けてくれる女子プロゴルファーのために、全力で応援させていただきます」という主催者の粋な計らいがあった。
これを聞いた原は「え?」と一瞬目を丸くし、「ありがたいお話ですね」と感謝。そして改めて「小樽( カントリー倶楽部)が大好きなので、どれだけ戦えるか。そこに意識を持っていきたいですね」と意気込みを示した。
数日前には、大きな決断もくだしていた。8月20日からスコットランドで行われる海外女子メジャー大会「AIG女子オープン」(前全英AIG女子オープン)の出場権が、昨年の賞金ランクによって下りてきた。しかし「すごく悩んだ」という結果、帰国後に待っている2週間の隔離期間や、家族の心配の声などを考慮し辞退することに決めた。
「自分の経験になるし、大きな大会なので出たかった。成長するためにも行きたかったです」という気持ちは強かったが、上記の懸念点以外にこんな不安もあった。本来、出場権は有資格者を除く国内賞金ランク上位5人に与えられる。昨年のランクが14位の原は当初“圏外”だったが、他の選手が辞退したことで繰り下がってきたものだった。そんな事情もあり、「いきなり全英に行けるようになったけど、準備ができてなかった。準備ができないなかで挑むのは、自信を失うだけになるかもしれない」というリスクも頭をよぎった。
そして悩み抜いた結果、今は軸足を国内ツアーに置くことに決めた。ニトリ開催のすぐ後には、「ゴルフ5レディス」(9月4日開幕)の開催も正式発表されたのだが、もしスコットランドに行っていたら隔離期間中で出られないことが決まっていた2試合だけに、その価値は大きい。「安心して行ける時のために、しっかりと経験を積んでいきたい」。ここからの試合でしっかりと結果を残し、来年は“自分の手”で英国行きのチケットをつかんでみせる。
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