<アバディーン・スタンダード・インベストメンツ・スコットランド女子オープン 最終日◇16日◇ザ・ルネッサンスクラブ(スコットランド)◇6427ヤード・パー71>
「最終日は自分のプレーにどうやって集中しるかが、最も大きな挑戦になる」。第3ラウンドを終えてステイシー・ルイス(米国)はそう話した。それは同組の選手たちのあまりに遅いプレーをどう排除して戦うか、という意味だった。
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スコットランド女子オープンの最終日は、3日目と同じアサハラ・ムノス(スペイン)とジェニファー・ソング(米国)との組み合わせ。ルイスは彼女たちのスロープレーをすでに十分体験していたのだった。
残念ながらムノスのスロープレーぶりはツアーでも知られているし、ソングも複数のヤーデージブックを見比べて、キャディと長々と相談する姿が見られた。
ルイスは「彼女たちのプレーはまったく見ないようにして、自分の世界に浸かっていた」と話す。そして2番ティでキャディに向かって「私は他の人のスロープレーに文句を言うのはやめる」と伝え、不平不満を口にしないと決めた。時間をもてあましたら自分の好きな歌を口ずさんでいた。
11番ホールでまさかのダブルボギーで後退しながらも、終盤で元世界ランキング1位は粘りを発揮。4人が並んだプレーオフの1ホール目、見事に7メートルのバーディを決めて勝利を飾った。その裏には「自分で決めていた『文句は言わない』というお陰で苛立つことはなかった。大きな集中力につながった」と、ママになって初優勝を飾った35歳は微笑んだ。
スロープレー問題が語られて久しいが、一向に改善はされない。優勝会見でルイスが語った改善策は「もっとツアーが積極的に取り締まるべき。欧州ツアーのほうがまだ米ツアーよりはアグレッシブ。最初のワーニング(注意)は飛ばしてすぐに計測されるべき。そして罰金ではなく罰打を加えるべきだ。でなければゴルフはまったく間違った方向へ進んでしまう」と苦言。そんなルイスの声はツアーに届くだろうか?(文・武川玲子=米国在住)
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