国内女子ツアーは今週、真夏の箱根決戦「CAT Ladies」が開催される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で大会は中止。そこで20日(木)、昨年大会の覇者・淺井咲希が日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のリモート会見に臨み、昨年の優勝を振り返った。
大会最終日。最終ホールを1打リードで迎えたパー5の3打目を1メートル弱につけ、優勝を確信。2パットで優勝という状況で、なんとこれを外して、カップに蹴られたボールは下り傾斜に乗り2メートルオーバー。「最初のパットは緊張しなかったけど、次は緊張しました」と思わぬ事態に陥った。結果は無事にコレを沈めて優勝したのだが、なんともハラハラの優勝劇だった。
黄金世代の一角として、本大会でツアー初優勝を果たしたわけだが、その後は成績も低迷。翌週は予選落ち。その翌週の「ゴルフ5レディス」では2位タイに入ったが、シーズン終了まで苦戦を強いられ、トップ10なし。最高成績は24位タイと不満のシーズン終了となった。
今季はその不満を取り除くための戦いとなる予定だったが、コロナ禍のためにいまだ2試合を消化したのみ。53位タイ、41位タイと思うようなスタートを切れていないが、実は淺井にとっては、大きな出会いがあったのもコロナ禍の中だった。
本来の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の中止を受け、3月にキャディのつてをたどって渡邉彩香と1週間の合宿を行った。「長年シーズンでやってきた方から得るものは多い。今までプロになるまでテレビで見てきた人を間近で見られるので、そういうのを見たい」と、先輩のプレーをすぐ近くで見る機会を得た。
その渡邉も不調を抜け、開幕戦となった「アース・モンダミンカップ」で優勝。「めっちゃうれしかったですね。勝つと思っていました」と合宿に参加した際から渡邉の好調さを目の当たりにしていた。「去年のニトリで彩香さんと一緒に回っていたんですけど、そのときの不調のときのゴルフも見ているから、久々に一緒にゴルフをさせていただいて、ドライバーも打ちたいところに出せていて、アイアンも仕上がっていましたし、アプローチ、パターも元々うまい。ぜんぶ仕上がっているなと思っていました」と優勝を予感したという。
アースの際の渡邉のウィニングパットにも言及。「最後の優勝のパットも微妙な距離のスライスラインを決めて勝つのがかっこよかった」と下りの4メートルを沈めた瞬間をグリーン脇で目に焼き付け、「私が一番やりたい勝ち方」と感動とともに、やる気もみなぎった。
いつもと違うシーズンとなってはいるが、国内女子ツアーはここからしばらく連戦。「2勝目はたまたまでは、ない。私はまだまだ」と気合を入れ直し臨む。黄金世代の中心的存在へ。淺井の2勝目への戦いがここから始まる。
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