<AIG女子オープン 最終日◇23日◇ロイヤル・トゥルーンGC(スコットランド)◇6649ヤード・パー71>
コロナ禍で得た海外メジャー出場権。当然のように反対の声もあったが、「ちょうど出場権が下りてきたときに熊本は豪雨に見舞われていました。自分がどうしたいかを考えたときに、少しでも“熊本県人が頑張っている”と思ってもらいたいと思った」と出場を決断した上田桃子は、トータル1オーバーとメジャーでのキャリアハイとなる6位に入った。
「今日は風がないぶん、伸ばさないといけないというプレッシャーがあった」という中、序盤からショットをピンに絡めて3連続を含む4バーディ。後半は伸ばしあぐねたが、粘りを見せてボギーなしでホールアウト。「やっと終わった(笑)。充実感もあったけどタフな4日間でした」と疲労感と充実感をにじませて72ホールを終えた。
風、雨、ブッシュ、そして周りの選手のスコア…。初日から日本では味わえない緊張感だった。「コースに来るときの車で毎日おなかが痛くなっていました。コーチから『日本でもそのくらい緊張していけよ』と言われるくらい」。そんな状況のなかでもガマンしてガマンして迎えた4日目にはご褒美が待っていた。「予選2日間頑張ったから、最後に風のない状況でプレーをさせてもらえた。粘ってよかったなと思う。これが全英だなと思いました」。
豪雨被害に見舞われた熊本には大いに元気を届けた一方で、こんな思いも湧いてくる。「インスタグラムなどで熊本の人からコメントもらって、『熊本人頑張るぞ』という思いを届けたかったが、逆に元気をもらいました」とお互いに勇気づけられた。
それでも、今後行われる米国での海外女子メジャーについては慎重な姿勢を示す。「チャンスがあればやりたい」という前置きのうえで、「行くからにはいいところで戦いたい。今回決めたのもコロナで練習する時間が増えたなかで、パッティングに自信が持てたからという部分もあります。そういう準備が整えば挑戦したい」。いい経験ができた、では終わらせたくないからこそシビアに見極める。
出場は大きな決断だったが、「いい経験ができたので、リスクをとる決断は何が正解は分からない中で、自分自身としては良かったなと思います」と納得した表情を見せた上田。「昨日よりも縮められたらので、気持ちよく帰れます。コーチと力を合わせて集中していいゴルフができたので、これを自信に残りのツアーを頑張りたいです」と手ごたえを胸に、自主隔離期間を経て9月10日に開幕する「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」から日本ツアーに復帰する。
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