プレーオフ初戦の「ザ・ノーザン・トラスト」最終日は、ダスティン・ジョンソン(米国)が優勝に独走。このまま走りきるかに思われたが、ボストン郊外の空は徐々に暗さを増して、残念ながらあと1ホール半で試合終了という午後6時には、雷接近を知らせるホーンがコースに鳴り響いた。
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勝利の行方とは別に、プレーオフ第2戦へ進めるか否かのボーダーラインをさまようルイ・ウーストハウゼン(南アフリカ)は18番パー5に居た。
フェデックスカップポイントランク99位で今大会を迎えていたが、3日目を終えて単独4位、そのまま終えればポイントは36位で70位までの第2戦へと駒を進められたのだが…
最終日は2番パー5でダブルボギーにするなど振るわず、17番を終えて3つスコアを落とし、この時点でポイントレースは75位と圏外に落ちていた。
そして1時間14分後に再開した18番は残り230ヤードの第2打をピン9メートルに2オン、イーグルは逃したがバーディーを奪うと通算13アンダー、13位でフィニッシュ、フェデックスカップポイントはドック・レッドマンを6ポイントかわして70位に滑り込んだ。
18番グリーンでバーディパットを沈めたウーストハウゼンは大きな笑み。「ポイントの計算が分からなくて、もしかしたらイーグルが必要なのかと思っていた。きょうは調子がでなかったが、残り4,5ホールで、あと2つはバーディを取ろうと思った。18番のセカンドは3番アイアン。一番好きなクラブの一つ。プレッシャーはすごくあったが良いスイングができた。最後は良い終わりができて誇りに思う。スコアは73、でもこれまでで一番ハッピーな73だよ」とツアー1,2のナイスガイは笑顔。恵みの雷とでも言おうか、この中断が転機となった。
一方、大会は中断を挟むもジョンソンの一人旅は変わらず。最終日を「63」で走り抜け、2位に11打差をつけて圧勝。ポイントランク1位に立ち、年間王者に向けて好スタートを切った。
(文・武川玲子=米国在住)
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