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「燃え上がることができない」 無観客に苦戦するスターたち【舩越園子コラム】

米ツアーのプレーオフ・シリーズ第1戦「ザ・ノーザン・トラスト」は、ダスティン・ジョンソン(米国)の圧勝で幕を閉じた。ショットもパットも終始好調だったジョンソンは好スコアをマークし続け、2位のハリス・イングリッシュ(米国)と11打差のトータル30アンダーで通算22勝目を挙げ、フェデックスカップ・ランキング1位へ。世界ランキングでもナンバー1に返り咲いた。
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ジョンソンは2週間前、「全米プロゴルフ選手権」優勝に迫りながら、そのタイトルをコリン・モリカワ(米国)に奪われたばかりだった。3日目の夜にはブルックス・ケプカ(米国)が「(DJは)メジャーでは、たった1勝しかしていない」と発言したことが物議を醸し、最終日のジョンソンの敗北はケプカ発言による傷心が一因ではないかとも言われていた。
しかし、ジョンソンは「気にしていない。彼(ケプカ)は思うがままの人だから」。他選手が何を言おうが何をしようが自分は我が道を進むのみ。その言葉通り、TPCボストンで淡々と自分のゴルフだけに集中したジョンソンは、残り2ホールという大詰めで喫した雷雲接近による一時中断もモノともせず、「いい1週間だった」と笑顔を見せた。
コロナ禍の中での米ツアー再開後、ジョンソンは「トラベラーズ選手権」と今大会を制し、ギャラリーがいない静寂の中で早くも2勝を挙げた。
「フェデックスカップ・チャンピオンになったことがないので、勝ちたい」
そんなジョンソンの強い思いが彼の原動力になったことは言うまでもないが、感情を抑え、淡々とプレーする彼の昔からのスタイルは、無観客でも「いつも通り」を実践しやすいのかもしれない。
だが、大観衆の割れるような拍手と歓声の中で、スターであることを実感しながらプレーしてきたタイガー・ウッズ(米国)とロリー・マキロイ(北アイルランド)は、無観客試合に大きな違和感を覚え、苦戦している。
「あんなタイガーを見たのは初めてだった」
ウッズの相棒キャディのジョー・ラカバが驚き混じりにそう明かしたのは、3日目のラウンド後の出来事だった。ウッズは同組で回ったマキロイとコース内の屋外テーブルでランチを共にした。
「タイガーがラウンド後に他選手とランチなんて、これまで1度も無かったことだ」
アスリートたるもの、たとえ下位に沈んでいようとも、同じ土俵で戦う相手と和気あいあいの食事など、もってのほか。それが従来のウッズの姿勢だったが、頑なに守られてきた流儀がついに破られたことは、ラカバにとっては衝撃的だった様子だ。
ハンバーガーを食べながら、ウッズとマキロイはどんな会話を交わしていたのか。おそらくは無観客試合への違和感を語り合っていたに違いない。
ツアー再開後、マキロイはトップ10入りすら1度もできず、今大会でもまるで振るわず、65位タイに終わった。
「緊張感が得られない。燃え上がることができない。その原因は僕のゴルフが不調なせいもあるけど、試合の雰囲気のせいでもある。数ホール、いいプレーができていても、次のホールでは急に右へ左へと乱れる。なんでそうなるのかと考えた。無観客の雰囲気の中では自分を奮い立たせることができない」
そんなマキロイの苦悩にウッズも頷いている。今大会でウッズは辛くも予選を通過。「週末は爆発的なスコアを出したい」と張り切っていたが、3日目は「73」と振るわずじまい。最終日こそ5つ伸ばしたが、58位タイの下位に終わった。
「今のツアーには、かつてのような渇望もプレッシャーも存在しない。人々が狂喜して叫んだり、僕らのシャツをつかもうとすることもない。僕らは今、まったく異なる世界を生きている感じがしている」
大きな拍手と歓声を浴びてきた選手ほど、かつてと今のギャップに対応しきれず、苦しんでいるのかもしれない。だが、人々の夢と希望を担うスターだからこそ、コロナ禍のニュー・ノーマルのやるせない違和感を、なんとか乗り越え、乗り切ってほしい。
最終日、出だしの4ホールすべてでバーディを奪い、5アンダー「66」で回ったウッズは、下位どまりとはいえ、希望の光を見い出し始めている。
「やっとリズムができてきた。少しずつ良くなってくれると思う」
フェデックスカップ・ランキングでウッズは49位から57位へ、マキロイは8位から12位へ後退したが、どちらも70位以内ゆえ、プレーオフ2戦目の「BMW選手権」へ進み、30位以内だけが出場できる最終戦進出を目指す。
生き残れれば、生きてさえいれば、希望はある。乗り越えなければならないことは多々あるが、絶望さえしなければ道は開けることを人々に示し、勇気をもたらしてほしい。
今こそ、トッププレーヤーである彼らの一番の頑張りどきである。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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