PGAツアーのプレーオフ第2戦「BMW選手権」最終日。マッケンジー・ヒューズ(カナダ)は最終18番で1.5メートルのパーパットを沈めると右手で大きくガッツポーズ。「初勝利と同じくらい、しびれた」と声を震わせた。
その重圧の理由は…。18番をパーとしてトータル2オーバー・10位タイで終えるとフェデックスカップ・ポイントランキングは前週の36位から28位にアップ。同30位内に入り見事次週のプレーオフ最終戦「ツアー選手権」の出場権を獲得した。
獲得したのはそれだけじゃない。フェデックスカップトップ30が得るのは、
・20年 WGC-HSBCチャンピオンズ
・21年 セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ
・21年 WGC-メキシコ選手権
・21年 マスターズ
・21年 全米オープン
と、これだけの出場権がついてくる。ゆえにヒューズもしびれたのだが、「きょうは自分のゴルフができなかった。だけど最後まで粘って次週も戦える。自分を褒めてあげたい」とほっと胸をなで下ろした。
同30位外から最終戦に滑り込んだのは、今回はヒューズとホワキン・ニーマン(チリ)のふたりだけ。最終日は一時首位に立ったニーマンだが2打及ばず松山英樹と並んで3位タイで終えると、同31位から18位にアップ。ツアー選手権の出場権を得た。
一方で押し出されたのはアダム・ロンとケビン・ストリールマン(ともに米国)のふたり。今回は新型コロナウイルス感染拡大によりシーズンの縮小でプレーオフポイントは通常大会の4倍から3倍に変更されたのも逆転が少なかった要因かもしれない。
「せっかく前半は良いプレーができたのに、後半はピンの上につけて難しいパットばかり残してしまった。でもツアー選手権に行かれるのでよかった」。2019-20年シーズンの開幕戦、「ミリタリー トリビュート at ザ・グリーンブライヤー」の勝者。21歳のニーマンはツアー選手権の初出場を決めて大喜びだった。(文・武川玲子=米国在住)
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