<日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 事前情報◇9日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6640ヤード・パー72>
8月に行われた海外女子メジャー「AIG女子オープン」(前全英AIG女子オープン)で自身大会最高位の6位と健闘した上田桃子が、今大会から国内復帰を果たす。帰国後の自主隔離期間を経ての復帰戦は、国内公式戦というビッグマッチ。メジャータイトル獲得に向けての決意や“妹弟子”への想いも語られた。
姉弟子も鼻高々? 誇らしげな小祝さくら【写真】
スコットランドのリンクスコースで、台風のごとく吹き荒れる強風に立ち向かいトップ10入りを果たしてから約2週間。帰国後の隔離期間は、自宅でできるトレーニングや素振りなどを行い過ごしたが、この生活にフラストレーションがたまることもなく、むしろ「いい時間でした。試合があると出たくなるけど、強制的に出られないくらいでちょうどよかったですね」とコンディションを戻すのにうってつけの時間となった。
そして8日(火)夜に宿泊する広島入りし、開幕前日の9日(水)に会場となるコースに出て18ホールを回り切った。「ラフが短いのと、グリーンはしっかりとスピードがあるという印象。コースを遮るものがないので、風次第でマネジメントは変わりそうですね」。時間があまり無いなかでコースをしっかりとチェックし、初日のラウンドに向かう。
全英期間中のことは「優勝争いをしている時のように、体より脳が疲れました。でもいい疲れでしたね。優勝争いをする時は調子がいい時なので、それよりも少しきつかったかも」と振り返る。そして復帰戦も瀬戸内海に面したリンクスが舞台とあって、「頭の使い方、マネジメントはすごく似ている。風への対策はここでも使えそうですし、アドバンテージになりますね」と有利さも感じ取ることができた。
英日を股にかけてのメジャー大会2連戦だが、国内で挙げた15勝(うち1勝は米ツアー扱い)のうち、意外にも公式戦での優勝経験はない。「“メジャーはまだですよね”とよく言われますけど、早くその質問がなくなるように勝ちたいですね」と笑うが、もちろん欲しくてたまらないタイトルだ。だが今回は隔離期間などを経たこともあり、「2日目までは耐えて試合勘を取り戻せるように。3日目にいい位置に居たら『行くぞ』と狙いたい」と、最初から気合をこめすぎて空回りしないように、慎重に戦っていくつもりだ。
また、この期間にはうれしいニュースを聞くこともできた。同じ辻村明志(はるゆき)コーチから指導を受ける“妹弟子”の小祝さくらが、先週の「ゴルフ5レディス」で優勝した話だ。今週ひさしぶりに顔を合わせ、直接祝福の言葉もかけた。「コーチに言われたことをコツコツやってる姿を見てきた。それだけ頑張れるのは勝ちたい、うまくなりたいから。おだやかに見えても負けず嫌い。芯の強さは後輩ですが感心します」と称えた。
「強い選手と戦いたいのが自分のモチベーション。(小祝)さくらちゃんや、笹生優花ちゃんなど強くて若い選手はいい刺激になりますね。年齢は関係なく強い選手と戦えるのが楽しいですね」。ゴルフに対する情熱の源はここにある。全英での経験、そして若手選手の台頭も力に、円熟味を増したプレーで初のメジャータイトル獲得に挑む。
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