<ANAインスピレーション 初日◇10日◇ミッションヒルズCC(米国カリフォルニア州)◇6763ヤード・パー72>
久々の好プレーに渋野日向子の笑顔がはじけた。バーディパットを決めること4回。二つのボギーを叩いたが、それ以上に満足のラウンド。今季2戦目の海外女子メジャー「ANAインスピレーション」初日を2アンダーにまとめ、19位タイと上々の滑り出しを見せた。
渋野日向子の今季スイングをスロー再生で【動画】
朝一番からいきなり魅せた。INスタートの10番。思い切りよく振り抜いたドライバーはフェアウェイど真ん中をヒット。そこから2メートルのバーディチャンスにつけると、今週取り入れたクロスハンドグリップのパッティングを決めて満開のスマイルスタートを切った。
国内開幕戦からスコットランド2連戦までバーディが来ない展開が続いていたが、2週間のオフに取り組んだものが開花し、ここまでの流れを一気に変えた。「本当に真っすぐ飛んでくれた。バーディチャンスについてバーディが獲れた。久しぶりに3つとも自分がイメージしたショット、パットが打てたと思います」と完璧なバーディの演出には納得顔だ。
最高の出だしとなったこのバーディは結果だけでなく、内容が良かった。「セカンドの抑えのショット、抑えのショットだったらいけると思えたので、大きなクラブで打つ選択肢も増えました。かなりいろいろと頭を使えた」と、ショットのイメージと結果がしっかりと結びついた。
続くパー5の11番ではティショットが左ラフにつかまるも、2打目、3打目で挽回。1.2メートルを沈めて連続バーディ。続く12番ではティショットを左に曲げ、あわやロストという場面に遭遇したが、ここを落ち着いてボギーに収めると、続く13番では3メートルのパーパットを沈めピンチをしのいだ。その後は危なげなくパーを並べて後半に入った。
2番のパー5ではティショットが左ラフに入ったが、しっかりと3打目を寄せてバーディ。3番ではティショットを右に曲げ、パーパットを2メートル残したが、これも沈めた。ショットが曲がればパットでしのぐ。気持ちの面でも技術面でも、スコットランドから大きく成長した。
スコットランドでは「振り切れていない」という悩みを打ち明けていたが、その後の2週間の米国合宿では「やっぱり攻めの気持ちを忘れていた。アメリカに2週間いて、ピンを狙って行く練習をして、しっかり振り切る、あとはとくにない」と積極果敢な攻めを取り戻すための練習に明け暮れた。
コロナ禍の影響で、3試合しか消化できていない今季。そこで結果が出なかったモヤモヤ感は、この日は見られなかった。「吹っ切れたんだと思います。3試合予選落ちだったので。2週間自分で考えながら練習できたり、すごく楽しく2週間を過ごせたからか、本当に吹っ切れた」。8番パー3ではご愛嬌の“ダフり”も、スネークラインを沈めて奇跡的なパーセーブ。最終のパー5でもバーディを奪い「今年いちばんいいゴルフ」を締めくくった。
ようやく戻った笑顔。2日目は気温が40度を超えると予想される午後スタート。「水分補給もしっかりして、塩分補給もしっかりして、頭の回転もしっかりしながら、熱中症にはならないように、しっかり18ホール、アンダーで回れるようにしたい」。首位と4打差の好位置。週末の上位争いに向けて、あすもシブコチャージといきたいところだ。
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