<ANAインスピレーション 3日日◇12日◇ミッションヒルズCC(米国カリフォルニア州)◇6763ヤード・パー72>
可憐な容姿から男子顔負けのロングショット。“カナダの妖精”がビッグタイトル目前だ。
首位と6打差から出たブルック・ヘンダーソン(カナダ)が1イーグル・6バーディ・1ボギーの「65」をたたき出し、トータル12アンダー・首位タイに躍り出た。
圧巻はフロントナインだ。2番パー5では代名詞の長尺ドライバーでティショットをかっとばし、2オンに成功。幸先よくイーグルを奪うと、その後も前半だけで4つのバーディを奪取し、ハーフ「30」で首位戦線に顔を出した。
予選会を勝ち抜いて出場した2015年の「キャンビア・ポートランド・クラシック」では、17歳でツアー初優勝。翌16年には「KPMG女子PGA選手権」で大会史上最年少でのメジャーVを飾った。以後、ツアーの中心選手として勝ち星を重ね、気づけば通算9勝。23歳にして、大台の10勝目にリーチをかけている。
この日の躍進のカギは、間違いなくグリーン上にある。「今日は本当に満足。スタートが早かったのが良かったのかな」。酷暑によって芝が硬くなる前、まだ芝が柔らかい午前のティオフが奏功し、この日のパット数は「26」と冴えわたった。フェアウェイキープ率が約71%、パーオン率が約77%と安定したショットに抜群の飛距離。そこにグリーン上のパフォーマンスが加われば、このジャンプアップも当然といえる。
「メジャーでは我慢が必要。ボギーがくることも想定しておかなければ。コースが与えてくれるものを信じて、ボギーに対抗するためにたくさんのバーディを獲るようにしないと」
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、通常の4月から9月開催に変更。気候も芝も、何もかもが例年とは違うが、経験豊富な23歳はメジャーでの戦い方を心得ている。最終日にもバーディを量産し、自身メジャー2勝目で大台二けた超えを果たして見せる。
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