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体力温存と若手からの吸収　藤田さいきは9年ぶりVへ着々

＜デサントレディース東海クラシック　初日◇18日◇新南愛知カントリークラブ 美浜コース（愛知県）◇6456ヤード・パー72＞
「無理はしていない」、「首から下はほとんど痛い」、「明日は晴れて暑そうなので心配…」。次々に口をついて出るネガティブな言葉もベテランの味だ。これらの言葉の主・藤田さいきは6バーディ・ノーボギーの「66」で首位と1打差の6アンダー・2位タイの好スタートを切った。
表情にもベテランの余裕が見えます【写真】
出だしの10番で残り106ヤードの2打目を1mに付けて“おはようバーディ”を奪うと、苦しむ同組2人を尻目にバーディを量産。折り返してからの再三のピンチも6番では4m、7番では5m、9番では6mのパーパットを沈めてノーボギー。「あまりないですね。スロースターターなので（笑）」と照れ隠しも出る好発進を見せた。
同組で回った田中瑞希は13歳、六車日那乃に至っては16歳も年下。そんな2人をはじめとする若手からも貪欲に吸収している。「若い子たちはショットの精度が私たちよりも全然高い。その子たちのピンを攻めていく気持ち、精度を勉強しています」と学べるところは積極的に取り入れている。
一方で、ベテランの自分とは違う部分も熟知している。「連戦が続いてくるとどうしても体力的にしんどいですね。回復が追いつかない」。そのため練習量は最低限、ラウンド中も「できるだけゆっくり歩いて、日陰を歩いて。無駄な動きをしない（笑）」とマイペースを貫く。「練習しないと」と焦ることもない。
今季はここまで、開幕戦こそ予選落ちを喫したものの、軽井沢で2位、その後も12位、11位、31位と上位を見据える位置で戦えている。そこには昨シーズンにプロ転向後初めてとなるQTを経験したことが大きい。QT後には「毎週試合があることに慣れてしまっていました。来季は曲がろうがなんだろうがスコアを作っていきたい！　まだまだ若い子には負けません。引退もしません」と話すなど、気持ちを新たに臨んでいる。
「体力があるうちに貯金を作らないと…」。2011年の「富士通レディース」以来となる9年ぶりVへ。先日に妊娠を発表した横峯さくらや宮里藍と同い年の34歳は、のらりくらりとバーディを積み上げる。（文・秋田義和）

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