<日本女子オープン 最終日◇4日◇ザ・クラシックゴルフ倶楽部(福岡県)◇6761ヤード・パー72>
原英莉花の待望の2勝目は、大舞台の「日本女子オープン」で訪れた。ピンデッドを幾度となく繰り返し重圧を与えてきた小祝さくらに対し、ジャストタッチのパッティングとチップインバーディが随所に光り、流れを渡さない。冷静さと攻めの姿勢でフェアウェイウッドを巧みに操り、攻めどころは豪快にドライバーでフェアウェイを捉える。メリハリの効いた“強さ”を感じさせるゴルフだった。
原英莉花 日本一の証、優勝カップにくちづけ【大会フォトギャラリー】
実は大事なメジャーを前に、使い慣れたアイアン「ミズノプロ918」から新作「JPX921ホットメタル」へ変更していた。それを後押ししたのは、高校時代から自身を見てもらっている師匠・ジャンボ尾崎の『今までで一番いいアイアンだ』とのお墨付きの言葉だった。シャフトはイミドアンドサンズ製の師匠譲りのもの。
「アイアンの弾道が今まで低かったみたいで、今回のアイアンだと高い弾道で飛ばせるのでそこを褒めてもらいました。高校生の時から見てもらっているので、それで一番いいと言われたら使う決心になりますよね。(使用感は)いいです。5Iが飛ぶ(175Y→180Yにアップ)から苦手なUTを1本抜くことができました。それで3番ウッド(3W)、5番ウッド(5W)の並びにできたので、いいセッティングにできたなと思います」(原英莉花)
これまでは3Wでなく4Wだったため、パー5での2オンを狙えないケースもあったが、今大会では最終日の8番、12番でも2打でグリーンに届かせた。新アイアンで好循環が生まれたセッティングの充実から、言葉どおり“攻めのゴルフ”を体現できるようになった。
また、パッティングも大会前に師匠から「30パットを切れずに何を言っている」と指摘を受け、順回転を求めて肩でストロークするよう試行錯誤。プロ入りの2018年が30.6143(83位)、昨年が30.6881(86位)、今季も平均30パットを切れていなかったが、今大会は「27.25」と本格改善の光明を見いだせた。優勝後には『パッティングさえ良くなれば、トッププレーヤーになれる。今回のこの緊張感の中で、いいプレーができたのもその証拠である。女子のゴルフもずいぶんとレベルアップしたものだ。おめでとう』と、なかなか褒めない師匠から賛辞をもらえた。
原といえば、長身から繰り出す飛距離が代名詞だが、本人は自身の魅力をそう思っていない。「皆さんドライバーって言ってくださるんですけど、アイアンが好きなので、ピンに絡めるショットを見ていただきたいと思います」。投入したてのやさしい大型ヘッドでも、高い球、ライン出し、カットフェードと意のままに弾道を操り球を止められるのは、自身のプレースタイルに加え“師匠のお墨付き”の影響も大きいだろう。
【原英莉花の優勝セッティング】
1W:ミズノプロ モデルE
(8.5°、テンセイCK50X、46インチ)
3、5W:ミズノST200(15、17°)
4U:キャロウェイMAVRIK(20°)
5I〜PW:ミズノJPX 921 ホットメタル
A、SW:ミズノ オリジナル(48、52、58°)
PT:オデッセイ トゥーロン SAN DIEGO
BALL:ブリヂストンTOUR B X
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