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10番ではUTで驚異のアプローチ! 畑岡奈紗はなぜ難しいメジャーで『64』が出せたのか?

先週行われた「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」最終日に、畑岡奈紗は「64」と猛追し3位フィニッシュ。海外メジャー制覇の可能性を十分に感じさせるプレーを見せた。渋野日向子がトータル11オーバー、河本結がトータル9オーバーまでスコアを落とす難しいメジャーのセッティングで、畑岡がトータル7アンダーまでスコアを伸ばせた要因はどこにあるのか。この大会のTV解説を務めた石井忍に話を聞いた。
メジャー制覇に一番近い! 畑岡奈紗のドライバーショット【連続写真】
■ピンチの場面で、驚異のイマジネーションを発揮
石井は畑岡の印象的なプレーとして、最終日10番ホールの「ユーティリティでアプローチをした場面」を挙げる。10番は左手前に池がある398ヤードのパー4。ドライバーで打ったティショットをミスし、右の木に当たってツマ先下がりのラフに落ちるピンチを迎えた。
「ティショットでは左からの風を嫌がって体がめくれ、ボールが右に飛んでしまったんです。そこから左手前の池をケアしながら、グリーンの右サイドに低く打ち出して、グリーン右横に外しました」。3打目は砲台グリーンに対して、グリーンエッジまでは畑岡の身長ほどはあるかという7ヤードほどの強烈な上り。グリーンに上がるとエッジからピンまで20ヤードほどはある状況だった。
「かなり難しいアプローチだったのに、ジャッジがすごく早かった。ティショットでミスした時点で、そこまで想像できていたのでしょう。アプローチの選択肢はいくつかあったと思うんですけど、畑岡選手が打つ前にシャドースイングをしたときの振り幅がすごく小さかったから、FWかUTで絶対に転がすなと思いました」
ライブ中継で石井がそう予言した通り、畑岡はユーティリティをスッと抜くと、パチンッとしっかりボールをヒット。エッジまでの急な上り傾斜を勢いよくコロがっていったボールは、解説陣も思わず「あっ」と声を挙げるほどピンを大きくオーバー…したかに見えた。ところが、あわやミスかと思われたボールは、ピンの奥の傾斜を使って4m戻り、50cmにピタリ。驚くべきイマジネーションを見せたのだ。
パターよりも球足が強くなるユーティリティのアプローチは、畑岡にとって珍しいプレーではないが、国内女子ツアーでやる選手はほぼいない。米国女子ツアーの難しいセッティングで戦っていくうえで、必要な技術といっていい。
「アメリカで戦っていれば、アプローチの引き出しが増えていくと思いますが、そこには本人の感度も大事になってきます。この場面ではこういう技が必要だな、そのためにはこういう練習が必要だな、というのが的確にわかって実行できるかです。畑岡選手はそれができている」
■悲願のメジャー制覇へ「足りないものは何もない」 あと必要なのは…
世界最高峰の米国女子ツアーで、しかもメジャーという舞台。畑岡が活躍できたのは、何が優れていたのか。石井は『環境的な対応力』と『状況的な対応力』を挙げる。
「環境的というのはボールのライや風向き。状況的というのは自分の位置を把握しながらプレーしているということです。米国では全部攻めても上手くいきません。どうしたらいいかわからないときは、刻んだり、ピンを避けて狙う判断で一歩下がる。そして、ピンを狙えるところはしっかり狙う。その『押し引き』のバランスがかなり優れていて、ゴルフがすごく成熟している感じがしました」
さらに石井は、技術的なポイントにも言及する。「畑岡プロはリリースポイントのコントロールが秀逸だと思います。風が強かったりピンが奥のときなんかは、リリースポイントを遅らせる。極力スピン量や出球の角度を抑えて球足を使っていく。一方で、バンカーのように出球の高さを確保したいときは、リリースポイントを極力手前に持ってくる。リリースポイントを意識的にコントロールしているのです」。
この技術が生かされるのは、渋野が3日目のスタートの10番でダブルパーの「8」を叩いた場面だという。セカンドショットを池に入れて、池の手前にドロップした4打目は、ピンの近くに着弾したものの、強烈なバックスピンで戻り、下り傾斜も手伝って、26ヤード手前のエッジまでコロがってしまったのだ。畑岡が最終日に生かした傾斜は、3日目の渋野にとっては鬼門になった。
「ティショットが左ラフ、セカンドを池に入れたところまではしょうがない。この後、近くにドロップしてウェッジのフルショットを選択したのです。ピンは左奥で、グリーンの奥は崖になっている。振れば振るほどスピンはかかるので、キャリーは落ちてからマイナスと思っていれば、さらにキャリーを奥にしなければならない。ピンの奥はわずかなスペースしかないので、それはそれでリスクが高いわけです。もう少し距離を離れて、手前から転がしていくようなショットでないと、あのピンに対してはフィットしなかった」
結果論にはなってしまうが、畑岡のようにボールを抑えて手前から転がしていくようなショットが打てれば、ダブルボギーで収まったかもしれないというのだ。「畑岡選手は、そのピンに対してボールが落ちてからどういう挙動をするのか想像している。それに合う番手、打ち方というものを後から合わせていく感じなのです」。もちろん想像力だけではうまくいかない。畑岡のように技術が伴って初めて成立するマネジメントだ。
今大会で再びメジャー制覇が遠くないことを感じさせた畑岡だが、実際に勝つためにはあと何が必要なのか。「ショットの質もいいしショートゲームも上手いので、足りないものはないと思います。もうちょっと早い段階でアクセルを踏んでいってもいいのかなという感じはしました」。畑岡の初日は2オーバーで首位と5打差の36位タイ。そこから徐々にスコアを伸ばし、最終的に「64」の爆発で3位に入ったがトップまでは届かなかった。
「彼女はわかっていると思うんですけど、メンタルにもゲージがあって、使える量は決まっている。最初からアクセルを踏むと疲れてしまうので、いきなりガンガン行かない。なので、将棋の“歩”をスッと動かすようなスタートで、みんな出て行くのです。畑岡プロは72ホールあるなかで、もう少し早くアクセルを踏んで先行馬になるような展開に持ち込めれば、今大会で独走したキム・セヨンのような勝ち方ができる可能性も十分にあります」
■石井忍(いしい・しのぶ)
74年生まれ。千葉県出身。名門・日本大学ゴルフ部を経て98年にプロ転向。ツアープロとして活動した後、ツアープロコーチに転身した。14年には自身がプロデュースするゴルフアカデミー『ACE GOLF CLUB』を立ち上げ、プロゴルファーだけでなく、ジュニアやアマチュアへのレッスンも行ってきた。現在は大西葵、江澤亜弥、越雲みなみらを指導しながら、ゴルフ中継の解説者としても活躍している。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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