<日本オープンゴルフ選手権 2日目◇16日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇7317ヤード・パー70>
首位と1打差までにアマチュア3人が入った「日本オープン」の第2ラウンド。1999年のJGTO発足以来、ベスト5にアマチュア3人が名前を連ねたのは初となる。そのトップに立った河本力(日体大3年)を追いかけるのは、日大4年の桂川有人と東北福祉大の杉原大河だ。
この日5バーディ・1ボギーの「66」をマークしてトータル4アンダー・2位タイに浮上した杉原。同じく福祉大の先輩、4年の金谷拓実が「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝する1月前に、下部ツアー(AbemaTVツアー)で優勝を挙げた3年生だ。
同学年の河本とは、同じ四国出身で小さいころから切磋琢磨してきた。「ドライバーの飛距離でおいていかれて自信をなくすので、あまり練習ラウンドは一緒に回りたくないなと思うんですが」と、飛距離では10〜20ヤード遅れをとってしまう。しかし、ビッグドライブが持ち味の河本とは対照的に、正確性で勝負をかけるのが杉原だ。
「ドライバーはリスクを伴うときも多いので、ちょっと距離が残ってもフェアウェイに置く選択をしています」と、ドライバーを握ったのはパー5の2ホールと距離の長いパー4の3ホール。そのほかは3番ウッドと2番アイアンを握って予選2日間でのフェアウェイキープ率は75%の4位タイ。フェアウェイキープがマストの本コースで「しっかりマネジメントができている証拠。すごくうれしいです」と好スコアにつながった。
杉原と同じく2位タイに並ぶのは、2018年大会で予選をトップで通過した桂川に、プロでは昨年賞金王の今平周吾、谷原秀人と肩を並べての決勝進出。コレまでの活躍を見れば常連とも思えるが、意外なことに杉原の日本オープン出場は初。「大学に入ってからは最終予選にも行けていなくて縁がないのかなと思っていましたが、初出場でまさかの順位で」と優勝を圏内に捉えた。
これまでは、テレビ越しに見てきたナショナルオープンの舞台。「優勝というのはまだまだ先の話。順位というよりも、自分のゴルフを続けることをこころがけていこうと思います」と語る。日本一のタイトルをかけた戦いで、踏ん張りどころはここからだ。(文・谷口愛純)
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