現地時間11月3日の投票日まで、あと3日となった米大統領選。ドナルド・トランプ大統領は再選を目指し、対するジョー・バイデン氏は政権奪還に追い込みをかけている。
トランプ大統領のゴルフ好きはつとに知られ、タイガー・ウッズをはじめローリー・マキロイ、アーニー・エルス、ジャック・ニクラス、そして松山英樹ともプレーをした仲。ハンディキャップは2.8(ということになっている)で、世界中にゴルフコースも所有するビジネスマンだ。
では一方のバイデン氏は、ゴルフをするのだろうか? 答えは、もちろんイエスだ。プレーを始めたのは今から20年前の57歳とかなり遅いスタートだが、2015年の米ゴルフダイジェスト誌のインタビューでは、ハンディキャップ6.3と語っている。
60歳を前に始めてシングルプレーヤーというのはかなりの腕前だが、実はハンディ10前後というのが本当のところだという。ある政治家に「バイデン氏は自分はグッドゴルファーだと言うが、一緒にプレーしてみて、事実じゃないと分かった」と“暴露”されたこともある。それでも年齢と年数を考えると、この多忙な中でハンディ10だって素晴らしい。トランプ大統領VSバイデン氏をゴルフの腕前で勝負すると、1968年にゴルフを始め、50年以上もプレーを続けているトランプ大統領のほうにどうやら分がありそうだ。
バイデン氏は今年の5月末のメモリアルデーの祝日に、トランプ大統領がゴルフをしていたことに対し「10万人ものアメリカ人が亡くなっているコロナ禍の中、ゴルフに興じているなど考えられない」と大きく批判した。しかし自身も副大統領として支えたオバマ政権時代、任期中に副大統領専用機の“エアフォースツー”(※大統領専用機はエアフォースワン)でゴルフに出かけたことで批判を受けたこともある。いずれも劣らぬゴルフ好き、ということかもしれない。
米大統領とゴルフの縁は深く、アイゼンハワー大統領がオーガスタ・ナショナルGCのメンバーだったことは有名。また首都ワシントンDC近くの大統領専用の別荘、キャンプデービット内にはパー3の1ホールがあり、滞在中にプレーできるようになっている。そのホールはロバート・トレント・ジョーンズ氏の設計でオーガスタを模して造られた。
トランプ大統領とゴルフ界との関わりは知られているが、では果たしてバイデン氏が大統領になったらゴルフ界にはどんな影響があるのかというと、こちらは未知数だ。
トランプ大統領の場合は人種差別発言により、所有するゴルフコースからトーナメントが撤退するなど騒がれたり、あるいは日本の安倍晋三元総理大臣とプレーするなどゴルフ外交が脚光を浴びたが、バイデン氏が当選するとゴルフ界への関与は少し静かになってしまうかもしれない。しかしバイデン氏の民主党は、労働者層から支持されている。コロナ禍でゴルフが活況となっている現在、バイデン氏はもっと多くの層へゴルフを広げてくれるかもしれない。(文・武川玲子=米国在住)
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