先週の米国男子ツアー「バミューダ選手権」で16位に入ったウィル・ザラトリス(米国)が、PGAツアーのテンポラリーメンバーの資格を獲得した。これで今季は試合数の制限なしにツアーへの出場が可能となった。
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24歳のザラトリスは、カリフォルニア州サンフランシスコの出身。ウエイクフォレスト大で活躍したのち2018年にプロ転向した。今年は下部のコーンフェリーツアーにフル参戦し出場16大会で1勝。トップ10にも10回入り、ポイントランキング1位の座についていた。
本来であれば現在行われている20―21年シーズンはPGAツアーにフル参戦できるはずだったが、コロナウイルス感染拡大の影響でツアー自体が昨シーズンの出場資格を維持することになったため、下部ツアーからの昇格も見送られることになってしまった。つまりザラトリスは下部でもう1年戦うことを余儀なくされることになってしまった。
今季PGAツアーにフル参戦するためには、推薦などで出場した試合で勝つ、そこで獲得したポイントが昨年のフェデックスカップポイント150位のラインに到達した時点で『スペシャルテンポラリーメンバー』の権利を獲得することができる。これは松山英樹や石川遼らが通ったエリートコースだ。
ザラトリスは9月の「全米オープン」で6位に入ると、翌週の「コラレス・プンタカナ リゾート&クラブ選手権」でも8位と好成績を残した。続く「サンダーソンファームズ選手権」は予選落ちしたが、「シュライナーズ・ホスピタル・フォー・チルドレン・オープン」でも5位と活躍。そして、あと3ポイント必要だったバミューダ選手権で16位に入り、出場権に到達した。これには「すごくうれしい。シュライナーズで達成できるかと思ったけれど、少し足らなかったから、今週達成できていよかった」と喜んだ。
ただし“無条件”で毎週出られるというわけではない。ザラトリスは推薦出場を得るか、あるいは出場した大会でトップ10フィニッシュすれば翌週の出場権を得るという厳しい道のりも残っている。そのうえで、シーズン終了時にフェデックスカップポイントが125位以内なら晴れて来季の出場権を得ることができる。とはいえ、まだまだシーズンは始まったばかりだから、その可能性は十分。コロナ禍にも負けずに這い上がったザラトリスに引き続き期待したい。(文・武川玲子=米国在住)
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