<TOTOジャパンクラシック 事前情報◇5日◇太平洋クラブ 美野里コース(茨城県)◇6554ヤード・パー72>
6日(金)に開幕する「TOTOジャパンクラシック」で、渋野日向子が6月の「アース・モンダミンカップ」、前週の「樋口久子 三菱電機レディス」に続く日本ツアー3試合目に臨む。
すでに日本で3勝を挙げて賞金女王争いの真っただ中にいた1年前のこの時期とは状況は打って変わった。コロナ禍の影響、そして2カ月の海外遠征もあり試合数は2試合とはいえ今季は予選突破なし。ゴルフの状態も雲泥の差。調子はいいとはいえない。例えばアイアン一つとってみれば、「良くないといい張れるくらい(笑)」と“しぶこ節”もどこか寂しく聞こえる。
振り返ってみれば、昨年は「直感というかイケイケどんどんでやっていました。周りを気にせず自分らしくできていたし、持ち味の攻めのゴルフができていたと思う」といい意味で“何も考えずに”できていた。それなら今年もそういう気持ちでやればいいのでは、とはならない。それでは前に進めないからだ。
「(何も考えず)勢いで攻めるゴルフは自分の良さではあると思う。ただ、今まで考えていなかったことを考えてそういうゴルフができるようになればもっと強くなれる。道のりは長いけど、そうやってできる日を楽しみにやっています」
昨年より強くなるためには昨年と同じではダメ。そのためにもこれまで「予選突破」、「上位に入る」など結果ばかりにフォーカスしてきたが、まずは「結果よりも内容を」と中身重視のスタイルへとゴルフを変えていく。
「“1mのパットを絶対に緩まない”とか“アプローチの落としどころに落とす”とかそれで入らなくても寄らなくてもまずはいいと思っています」。成績よりも、何を考えて、どう取り組んでいくか。そうすることで「気持ちも幾分楽になる。今の私にはそういうところも必要」とメンタル面に余裕を持たせる狙いもある。そうやってゴルフの状態を上げつつ、レベルアップしてく構えだ。
先週は「去年がうまくいきすぎ…、比べてしまう自分が情けない」と話していたが、気持ちに整理をつけた。「くよくよしていても前には進めない。夜にどんなに悔しがったとしても、また新しい日は始まる。それとともに切り替えていかないといけません」。明けない夜はない。さらに強いゴルファーになるために、21歳は前を向き続ける。(文・秋田義和)
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