世界中が注目した米大統領選。11月3日の投票日から開票が進むも、僅差で当選が確定しないまま時が過ぎていたが、民主党のジョー・バイデン氏の当選が伝えられたそのとき、ドナルド・トランプ大統領はゴルフを楽しんでいた。
安倍元首相とゴルフを楽しんだ時のトランプ大統領
米国東海岸時間の7日午前10時、トランプ大統領はホワイトハウスを出発。ゴルフシューズにウインドブレーカー、“Make America Great Again”というトレードマークの白い帽子で向かった先は自身の所有するゴルフクラブ、バージニア州の「トランプナショナルGC」だった。
10時39分に到着すると、トランプ大統領はカートに乗りプレー開始。それから約1時間半後に選挙の敗戦を知らせる報が入ったという。それでも熱心にプレーを続けていたのは、なんともゴルフ好きのトランプ大統領らしい。今後は訴訟を起こすともいわれており、現時点で敗北宣言は出されていないが、トランプ大統領の就任中、ゴルフ界とは概ね良好な関係だったと言える。
4年前のこと。選挙中にメキシコへの人種差別発言から米男子ツアーがトランプ大統領所有のゴルフコース、ドラールからツアーを撤退。また全米ゴルフ協会(USGA)、R&Aが大統領所有のコースでの大会開催を再検討した時期もあったが、こちらは就任後に無事開催された。
2017年の「全米女子オープン」はニュージャージー州のトランプナショナルGCが舞台となった。そこに大統領として訪れると、防弾ガラスが備え付けられた観客席から声援を送った。同年、ニュージャージー州のリバティナショナルGCで開催された米国対世界選抜のチーム戦「プレジデンツカップ」では、表彰式で米国チームにカップを授与している。
タイガー・ウッズ、ローリー・マキロイ、アーニー・エルスといった世界のトップランカーたちとゴルフを楽しみ、日本の安倍晋三元首相とはゴルフ外交で関係を深めた。16年の訪日の際には松山英樹を交え、埼玉県の霞ヶ関カンツリークラブでのプレーを楽しんだこともあった。
今回の選挙戦では終盤に“帝王”ジャック・ニクラスが支援したが、再選には及ばなかった。今後、ゴルフ界との関わりにどんな影響が出るのかはまだ不明だが、偉大なビジネスマンとして貢献が続くことを願いたい。(文・武川玲子=米国在住)
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