<三井住友VISA太平洋マスターズ 初日◇12日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
9月の「フジサンケイクラシック」でツアー再開を迎えた国内男子ツアーだが、コロナ禍での入国規制のため、ツアー復帰できずにいたのが海外選手たち。9月末に入国規制緩和の知らせが届き、ようやく本大会から外国籍の選手たちも参戦できる運びとなった。
<ゴルフ情報ALBA.Net>
「日本ツアーも日本の食事も、本当に恋しかった!」とうれしそうに話すのは、日本ツアー4勝のチャン・キム(米国)。ここまでの約半年は、自宅のある米国アリゾナ州で過ごしながら海外メジャーなどに参戦。日本ツアーの動向を聞きながら、今か今かと来日を待ち望んでいた。念願かなってのツアー復帰だが、来日後の隔離生活は想像以上に窮屈な日々。「成田空港近くのホテルにいたけど、練習は全然できなくて…、パターもやろうと思っていたけど、部屋が小さすぎて無理でした(笑)」。
クラブを振れない隔離生活は、思った以上にタフなよう。「入国緩和はすごくありがたいけど、今回出場していない海外選手の気持ちもよくわかる」としみじみ。公私ともに仲のいいスンス・ハン(米国)は今週不在。「隔離がある限りは出場しないと言っていた。韓国でプレーして、日本にきて隔離があって…、となると自分のプレーがついていかずに悩むだけになってしまうから。でも文句を言っている選手はいないし、できることを各自の判断でやるしかない」と悩ましいところだ。
リャン・ウェンチョン(中国)も、悩みながら念願のツアー復帰を果たしたひとり。こちらはマネジメント会社のJOYXが運営する兵庫のコースで14日間の隔離生活。敷地内で、人との接触を避けながら練習を行うことができた。
ただ、再び中国に戻る際には出国前にPCR検査を受けて指定のホテルで14日の隔離、もう一度PCR検査で陰性なら無事に帰宅…、というプロセスが必要になる。それでも「中国では試合が行われていないし、はやく日本に来たかった。やっとですね」と10月23日に来日。エースキャディの真鍋耕治さんが成田空港に迎えに行き、そこから車で兵庫のコースに移動。そして本大会へと大移動が伴ったが、おかげで隔離中も限られた中ではあるが、芝から球を打つことができた。
「私も万全を期して一緒に自主隔離をしていましたが、14日間のハンディキャップは大きいと思いますよ。最初は不安だったようですが、練習ができてすごくうれしいと言っていました」(真鍋キャディ)。
長年日本ツアーに参戦しているが、初めての状況に直面して感じる戸惑いとはがゆさ。「今週頑張ってJTの出場も決めて、そこまで日本にいたいですね。来年はどうなるか分からないけど、もうちょっと試合が増えてくれたら嬉しい」。
賞金ランク上位常連のショーン・ノリス(南アフリカ)、チェ・ホソン(韓国)などおなじみの海外勢の多くは今週不在。次週の「ダンロップフェニックス」には、12日午後12時時点でパク・サンヒョン(韓国)ら16人がエントリーとなっているが、昨年までの様子を取り戻すには、もう少し時間がかかりそうだ。(文・谷口愛純)
<ゴルフ情報ALBA.Net>