<大王製紙エリエールレディス 3日目◇21日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6545ヤード・パー71>
大会3日目にここまでの3日間で最高難度を誇る16番でエースを達成。ホールインワン賞(500万円、決勝ラウンドのみで達成者均等割り)をゲットした上田桃子が、首位につける古江彩佳らプラチナ世代ら若手について語った。
「勢いがあってうらやましい」といきなり本音が出た上田。「一人だけでなく複数人が活躍していますし、黄金世代の選手たちも下の世代が出てきて刺激を受けていると思います」。自分との違いを感じるのが、今の若手は「楽しむこと」を大事にしていることだ。
「今の若い子は“楽しくゴルフをやります”と言いますよね。私は楽しむということはなかなかしっくりきません。年齢的な違いもあるのかなと思います。楽しめるのはいいことだと思いますが、私が楽しいのは趣味。ゴルフの試合は戦いという捉え方。その違いですよね。楽しくやれることは羨ましい。それだけ余裕をもってやれていることですし、実際やっていたら楽しいことだけではないと思います。それを加味して言えるという事は大人ですよね(笑)」
その違いはどこから来るのか。“慣れ”も1つの理由。「やっぱりいろいろなことが初めての選手と、いろいろなことを経験している選手とでは、そこでの“楽しさ”も違うとは思います」。
さらに振り返ってみれば自分たちも似たような経験をしていた。「私も若いときは試合をやるごとにどんどん上手くなっていく経験もして、それが楽しいという表現ではなかったですが、充実しているというか、やったらやった分だけ強くなっている事を感じていました」。そんな経験があるからこそ、「まわりの人が思っているほど“若いのに凄い!”と思う感じはあまりないです」とルーキーたちの活躍にも驚きがないのだ。
ただ、楽しむことは違っていても学ぶ部分は大いにある。「自分は自分と思っていましたが、楽しもうというよりは良い雰囲気で回るのは参考にしたほうがいいとコーチからも言われました。そして先週の最終日からやってみて、今週も不運でダボを叩いても、1つミスしても気持ちを切らさずにできています。いい方向に行っていると思います」とエッセンスを導入。その結果、『調子は悪くないのにスコアが出ない』という状況から脱してきた。
だからこそ、上位勢に若い選手たちがひしめく最終日にも「(若い子たちの)壁になろうという感覚はあまりない」とサラリ。「それよりも、歳を重ねてもいいゴルフができるということを見せたいですね」。最終日も若手にない経験を生かして、自分らしくぶつかっていく。(文・秋田義和)
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