<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 事前情報◇25日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6,543ヤード・パー72>
先週の「大王製紙エリエールレディス」で、今季自己最高位の5位になった渋野日向子。今年の国内最終戦が行われる宮崎県でもしっかりと2日間の練習ラウンドなどで調整を重ね、「絶好調です!(笑)」と仕上がりに自信を示した。
シブコさんの“今年の一文字”は?【大会フォト】
2週前に「原因不明」の痛みがあることを明かした右足も、電気治療などを施し順調に回復。プレー面への影響もなさそうで、開幕前日も同じ青木翔コーチに師事する三ヶ島かな、野澤真央の2人と一緒に、和やかな雰囲気のなか9ホールの練習ラウンドを行った。
そんななか「重点的」に調整を重ねたのが、アプローチだった。もともと高麗芝のグリーンが選手を苦しめる宮崎カントリークラブだが、今年は好天続きということもあって例年よりも硬い仕上がりとなっている。さらにティフトン芝が使用されているグリーン周りも警戒ポイントで、好成績を残すうえでこの攻略は避けては通れない。
そんななか渋野は、ある決断をした。それが「52度のウェッジを多用する」ことだ。「58度だと緩んでしまった時にボールが止まってしまうけど、52度ならそのミスが出た時もしっかり転がってくれる。転がすアプローチのほうがここではイメージがいい。キャディさんとも話して、そうすることに決めました」と、何度も何度も転がりを確認した。
この52度のウェッジは、今季開幕前に徹底的に練習を重ねたものだ。しかし、6月の「アース・モンダミンカップ」などで結果を出すことができず、その後はこれまで使用してきた58度に頼る場面ばかりだった。海外転戦から戻り、国内ツアー復帰戦となった10月の「樋口久子 三菱電機レディス」でも、「(58度以外の)他のクラブで簡単に寄せる練習をもっとしないと。でも“怖い”という気持ちがあって、持てていない。自信がないから、今まで使ってきたもの(58度)に頼ってしまう」と、苦悩を語っていた。それを2020年最後のメジャー大会で、武器に変えるつもりだ。
昨年は賞金女王戴冠の可能性を残すなか臨み、最終的に2位タイで終えた。惜しくも女王には一歩届かなかったが、最終日の18番では2.5メートルを決めてバーディ締めと、怒とうの一年をいい形で終えたコースとなった。その話を振られると「去年はよくここでアンダー(トータル7アンダー)を出したなと。あんな締め方はもうできん!(笑)」と言って大きく表情を崩した。
「去年とは状況も違うし、そのなかでしっかり内容を考えてプレーしたい」。今年は結果だけではなく、2021年につながる“自信”を、この4日間で求めていく。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>