<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 事前情報◇25日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6,543ヤード・パー72>
今年最後の国内ツアーに臨む渋野日向子が、先週の「大王製紙エリエールレディス」で今季自己最高位となる5位フィニッシュなど徐々に本調子を取り戻してきた。そんな渋野が、開幕前日の練習ラウンド後に頭を抱える姿があった?
ただご安心を。これ、なにもゴルフに関して悩んでいるわけではない。『2020年を象徴する漢字一文字』を聞かれ、それが決まらずに頭を悩ませていたのだった。「すごい時間がかかりますよ(笑)」と宣言してから5分ほど。ようやく、その答えが導き出された。
渋野がサイン色紙に書いた一文字は『粘』。正確には『粘り強く』だったのだが、これがピンとくる言葉になった。その心を問われると、「これまでは攻めることばかり考えて、それがメインでした。粘るゴルフは苦手。でも今年はその必要性を感じた一年でしたし、今は粘ることが大事だと思いました」という答えが返ってきた。
海外メジャーの「全英AIG女子オープン」を制するなど、シンデレラロードを歩んだ昨年は、代名詞となった笑顔と、常にピンを狙う攻撃的なゴルフで世界を魅了した。ツアールーキーながら国内でも4勝を挙げ、順風満帆な一年を送った。
しかし今年は、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ全英での予選落ちや、国内ツアーでも結果がでない時期を過ごすなど、なかなか輝けずに苦しんだ。そのなかで“粘り続けた”ことが実り、ここにきてようやく状態も上向きと言えるようになった。今年のラストマッチを戦う宮崎では「絶好調です!(笑)」と言い放つなど、底抜けに明るい姿も戻った。
ちなみに昨年の渋野が選んだ一文字は『謎』。本人も戸惑うほどの一年を過ごし、今年は耐える時間のなかで『粘』の精神を身につけた。米国ツアー本格挑戦への足掛かりを作る来年末は、一体どんな答えが返ってくるのか? そこにつながるための結果、そして自信をこの宮崎でつかみたいところだ。(文・間宮輝憲)
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