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世界アマチュアランク1位、中島啓太はまさに“教科書”　『ハイハンド』で効率的に飛ばす！【目澤＆黒宮のスイング鑑定団】

新世代のツアープロコーチ、目澤秀憲と黒宮幹人。学年は1つ違いだが、ともに今年で30歳を迎える。目澤は河本結のコーチとして2019年のツアー初優勝に貢献。そして最近では松山英樹と契約して、大きなニュースとなった。また、黒宮は松田鈴英のスイングに安定感をもたらし、18、19年と2年連続のシード獲得をサポートした。世界最先端のスイング理論にも精通している目澤＆黒宮に、世界アマチュアランキング1位（1月27日現在）の中島啓太が“ぶっ飛ぶ”理由を解説してもらおう。
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目澤　すごいな。彼のスイングは教科書。PGAツアーの飛ばし屋、キャメロン・チャンプみたい。
黒宮　これだけヒザを動かしても、骨盤の位置は安定していられるんですね。
目澤　体がすごく強いんだろうね。
黒宮　日本オープンのときも、会場のお風呂場にベンチプレスかなんかを入れていましたよ（笑）。中島くんは飛ぶんですか？
目澤　飛ぶ飛ぶ。（河本）リキの方が飛ぶけど、啓太くんもなかなか飛ぶよ。
編集部　河本力さんは昨年の男子ツアーで、プロよりも飛ぶって話題になりましたよね。ドライバーの平均飛距離が320〜330ヤードだとか。中島さんの飛距離もプロたちのなかで上位に入ります。2人とも日体大なので、昨年の男子ツアーではよく一緒に練習ラウンドしていました。話を中島さんのスイングに戻しましょう。
黒宮　トップのポジションのストレスのなさがいい。後方から見たとき、腕のラインと肩のラインと手首とフェースの向きもそろっているし、何も言うことがない。これはみんなのお手本ですね。
目澤　本当にいじるところがない。啓太くんと笹生優花さんにはこのまま大きくなってほしいよね。
黒宮　ダウンスイングもすごい。右骨盤の位置がここで、右ヒジが体の正面に居続けている。普通は右腰が前に出て骨盤の角度が後傾しちゃったりするから、難しいんですよ。一部の動きに他の部分が引っ張られてない。自分の体の動かし方を1つ1つ理解しているんだと思います。
目澤　インパクトの左手首の伸展具合もすごくない？
黒宮　左腕が強いですよね。普通は当たり負けして左手首が甲側に折れたり、腕の回旋自体が左方向に回りすぎたりする。左腕とシャフト、フェースの向きがスイング中ずっと一緒だから、面が変わらない。
編集部　中島さんが飛ぶ要素はどこに感じますか？
目澤　左手の『ハイハンド』ですね。アドレスとインパクトの手元の位置が全然違う。左上に引き上げられているんです。左手が高い状態でインパクトできているから飛びますよね。
黒宮　インパクト前後で左腕がグリップエンド方向に引き上げられていく『ハイハンド』は、ロフトを立てた状態で高く打ち出せるから、インパクトで飛ばす効率が上がります。
目澤　あんなに締まったトップだったら、インパクトでもお尻は前に出せないですよね。自分のアカデミーを作ったら、彼のトップの写真を大きく引き延ばして飾っておきたいくらいです（笑）。
黒宮　自分が教えている選手じゃないのに（笑）。
【中島啓太が“ぶっ飛ぶ”理由】
・左腕を左上に引き上げるからインパクト効率が高い
・トップが締まっていて、余計なストレスがない
・インパクトまで左手首が伸展し、フェースの向きが変わらない
・ダウンスイングからインパクトで右ヒジがずっと体の正面にいる
■目澤秀憲
めざわ・ひでのり　1991年2月17日東京都生まれ。日本大学ゴルフ部出身。世界最先端のゴルフ理論に精通し、16年には日本に数名しかいない、TPI（Titlist Performance Institute）Level3 GOLF ＆ JUNIORを取得。河本結・河本力の姉弟や、有村智恵のコーチを務める。そして今年から松山英樹と契約し、さらなる飛躍が期待される若手プロコーチの一人。FIVE ELEMENTS西麻布店のヘッドインストラクターとしてアマチュアへのレッスンも行っている。
■黒宮幹仁
くろみや・みきひと　1991年4月25日愛知県生まれ。日本大学ゴルフ部出身。12年の「日本学生ゴルフ選手権」では同学年の松山英樹に次いで2位となった。そのとき、ティショットの調子が悪くても対応してくる松山のすごさを目の当たりにして、インストラクターの道へ。現在は松田鈴英や梅山知広のコーチを務める。指導者となったいまも、ドライバーでは300ヤード以上の飛距離を誇る。黒宮ゴルフアカデミー主宰し、豊田市を中心にレッスン活動を行う。
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